インドのピラニア

野球・相撲 時々その他 自由きままに書く インドのピラニアのように

【緊急企画】金田正一は如何にして400勝したか辿ってみよう(前編)

ラグビーWカップと台風でざわめく日本。しかしスポーツの世界にはあらゆる記録が存在する。

 

 

 

100m・200m・400m短距離走のコンマ1秒を争うものもあれば、ハンマー投げ砲丸投げのように投げた距離をメートルないしセンチで測る記録もある。それ以外にも室伏広治みたいに日本選手権20連覇のような、1位になった回数あるいは連続記録なんかも、記録としてあてはまる。

 

 

 

当然、野球にも記録はあるし、なんなら「記録のスポーツだぞ!!!!!!」と声を文字通り大に公言してもいい。打率・HR・打点の3冠をはじめとして、盗塁・盗塁死・出塁率・守備率・得点圏打率もあれば、WHIP・BABIP・BB/K・FIPのように、素人を置き去りにするかのような指標の数々はまるで株式市場だ。あまりの指標の多さに、あまたの数学自慢や統計学者が、熱心に野球を数学的観念からひもとこうとしている。たかがスポーツなのに、いや、されどスポーツなのか。

 

 

 

そんな記録の中に、地球上のあらゆる学者がその不可思議な数字に首をひねったり、印刷ミスではないかと資料を凝視する。そんな不滅な記録がある。

 

 

 

金田 正一の通算400勝である。

 

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「しょういち」ではなく「まさいち」と読む、独特な読み方をするのでよく間違えられる。先日故人になってしまったが、間違いなく日本がほこる大投手である。なぜそう言い切れるのか。

 

 

 

天皇

彼のことを「尊敬」と「皮肉」を込めてそう呼ばれている。監督を監督していると言われるほど、試合では勝手にいい場面になると変わるし、それが元で通算0勝でキャリアを終えてしまった選手もいるとか。おかげで、あまり良いように言わない人も居る。「勝ち星をヌッスした」とか「298敗している」とか。ヌッスという日本語が聞き慣れなさすぎる。

 

 

 

400勝298敗という、チーム数年間の成績じゃないかと見紛うほどの飛び抜けた記録。でも金田のことを知っているという人は本当に少ないだろう。金田が注目されたのは65年~69年の巨人に移籍してからと、58年に長嶋茂雄のデビュー戦で、4打席4三振に切って取った一瞬のみ。

 

 

 

国鉄時代にまさか国鉄スワローズ専用の中継もあるわけないので、親に聞こうが祖父に聞こうが、跳ね返ってくる言葉は「スゴい人らしいよ」というふわっとした言葉が宙を漂う。当然、実際にみた生の声がこれでは、子の世代も「すごい人だけど、口が悪い人だよ~」と、婉曲というか引退して表に出た、個性的すぎる性格がミックスしてよりイメージが二転三転してしまっている。多分あらゆる言い伝えは、このようにして歪曲なり誇張されたりしたんだろう。かねやんから歴史を知るとは。

 

 

 

というわけで、私なりではあるけれども、金田がどのようにして400勝していったかという、太古の昔に樹立した金字塔、その意外と知られていない変遷を簡単にまとめてみようと思う。間違いとかもあるかもしれないので、そこはご容赦願いたい。また、この記事は新たな情報を入手次第、適宜更新していこうと思うので、何回か流し読みしたら、更に当時のことが鮮明になると思うので、ぜひよろしくお願い致します。

 

 

 

【入団~1年目】

実は金田は17歳で既に入団している。そもそも入団した1950年にドラフト制度などないので、甲子園で負けたタイミングを図って金田を獲得したらしい。

 

 

 

この入団背景には豪運がからんでいて、金田のいた高校(享栄商業)が練習で使っていたグラウンドが、たまたま国鉄が使っているグラウンドだったらしく、折しもこの年に2リーグ制のエキスパンションに国鉄が参加していていたのもあり、ほぼ名前が知られていない金田をいち早く獲得することができたみたいだ。

 

 

 

この年高校2年生として迎えた金田の高校野球は、愛知県大会準決勝で一宮高校に負け、甲子園進出を逃してしまう。しかし、その約1ヶ月の愛媛県松山で行われた広島戦にて、なぜか体が大きい高校生が1人マウンドに立っていた。金田正一、なんと高校2年生・1ヶ月前はおなじ高校生と、汗水たらして深紅の大優勝旗を愛知に持ってかえらんとしていたのに、まさかプロの遠征に帯同して、年の差10は離れた先輩をバックにプロのマウンドに立っているとは。

 

 

 

デビューした年、とある阪神戦にて阪神の主力金田正泰に「あいつの球が速すぎる。投手と捕手の感覚が短いのでは?」といちゃもんをつけられるという、昔の神話のような伝説を残していた。

 

 

 

金田の球は果たして何kmなのかという話題が、プロ野球ファンの間でまことしやかに囁かれる。160kmは出ていたとか、プロ野球史の中で最も速かったとか。金やん自身は180km出ていたと高らかと笑っていて気持ちよかった。あれをマジで言っているという?????な人もいるけども。

 

 

 

自分は145km位じゃないかと思っている。昔の映像をyoutubeなりCSジータスでやっているけれども、江川卓のプロデビューの初球が128kmの速球だったり、江夏豊日本シリーズが135km台のストレートで、40年前のストレートが135~140km辺りが相場ではないかという所。

 


1981 江夏豊 1 日本シリーズ

なまくら過ぎるな・・・

 

 

 

ただ、金田は当時の野球からしたら高すぎる奪三振能力を併せ持っていた。1959年は304イニング投げて313奪三振を記録している。スタミナもエグイが、当時は300イニング投げて200個三振を取れるかどうかという時代で、イニング数を越える、あるいは迫る奪三振数は当時としても異例。奪三振数は投手の球速に比例してくる(江夏・ライアン・クレメンス皆剛速球投手)ので、金田も当時より10kmは速いと考慮して145kmとまぁこんな感じである。

 

 


金田正一のピッチング

(145kmも出てるのか不安になってきた・・・)

(フォームがひどすぎる・・・)

 

 

 

1952年に柚木(ゆき)進というパリーグの投手が、ひっそりと最多奪三振を獲得したのだが、その数はわずかに104個。かたや金田はセリーグで269個も三振をぶんどっているのだ。これは驚異と言える。三振が取れるから球が速いとは限らないと、自分も重々承知してはいるけれども、ここまで当時のトップ同士に差があると、金田の球は別格だと思わざるを得ない。

 

 

兎にも角にも、阪神の主力で後の阪神監督まで登りつめている金田正泰が、マウンドまでの距離が間違っているんじゃないか?という逸話がのこっている時点で、当時の平均的な投手より大分速くなければつじつまが合わないのである。

 

 

 

話が横道にそれてしまったが、1年目の金田は8勝12敗 防御率3.94 164 2/3投げて127与四球というとんでもないノーコンでもあった。しかし、高校2年生がプロ選手に混じって8勝するとは本当に驚きだし、12敗もするまで投げさせるなよ。

 

 

 

【2年目~5年目】

18歳になった2年目からは、更に驚きのピッチングを続けていた。22勝21敗 350イニングを投げて、防御率2.83 実に1488人の打者と対戦していたらしく、これは完全に野球の労働基準法違反だ。甲子園の酷使など目じゃない。だって1488人も対戦しないから。

 

 

 

ついでにその翌年は24勝25敗358イニングである。19歳が358イニング。おまけに24勝したのに負け越し、まさか存命中に同じ24勝して無敗で切り抜ける男が出てくるとはも夢にも思わなかっただろう。

 

 

 

しかし最多投球回ではない。当時まさに全盛期であった巨人の別所が371イニングも投げていたからである。神話には神話。酷使には酷使。とある記述によると、別所は肘・肩の故障に悩まされたことがないらしい。1947年には448 1/3イニング47完投したとか。ある意味野球の神様である。

 

 

 

4年目にもなると23勝13敗 303イニング 2.37と少々野球らしい成績になってくる。金田はやっと野球をし始めた。今までやってたのはクリケットだ。しかし、5年目になるとまた23勝23敗 345 2/3 2.63と、またクリケットに逆もどり。金田はクリケットの方が好きなのかもしれない。

 

 

 

ちなみに、金田は2年目~4年目までのシーズンはいずれも最多奪三振を獲得しており、5年目に逃さなければ、6年連続まで続いていたようだ。だれが止めたかというと、フォークボール生みの親、杉下茂である。395 1/3イニング投げて273奪三振、金田は269個でわずか4個差。まだ杉下は生きているというのも怖くなってくる。

 

 

 

ここまでの金田の成績を振り返ってみると、5年目まで

勝利数・・・8・22・24・23・23 合計100勝

敗戦数・・・12・21・25・13・23 合計94敗

奪三振・・・143・233・269・229・269 合計1143奪三振

イニング・・・164 2/3・350・358・303 2/3・345 2/3 合計1522イニング

 

 

 

5年目までといっても、金田は17歳からプロ生活が始まっているので、21歳までで100勝している。大卒投手はまだキャリアどころか、プロに入れるかすらあやふやなのに、金田は100勝しているのだから恐ろしい。ついでに94敗もしている。

 

 

 

「100勝しても94敗する投手は要らない~」という人も、ちらほら居そうだけど、当時の国鉄が勝率3割ないし調子が良くて4割なので普通に必要です。金田が投げただけで勝率が5割越えるのだから。調べれば調べるほど、この5年の国鉄は強くなくて、二桁本塁打が1人とか、1950年の国鉄のエース格の成田が、2勝13敗 4.47なので想像以上にめちゃくちゃ必要でした。もう1年目からエースです金田は。

 

 

 

創設当時の楽天の勝率が.356なので、あの年の楽天より5分も勝っていない、こんなに酷いチームなかなか無いだろうと高をくくってたんですが、この年、実は広島カープの方が勝っていなくて、なんと勝率.299でした。一流の打者の打率より勝っていないこのチームより酷いチームなんて無いだろ~~~と思ったら、今年(2019年)のMLB デトロイト・タイガースが.292でした。今のメジャーリーグは確実にアブない・・・。ましてやタイガースに金やんはいないし・・・。

 

 

 

【6年目~10年目】

 

 55年~59年までの6年目~10年目が金やんにとっての全盛期といっても過言ではない。55年は29勝しているし(20敗しているが)58年には31勝している(14敗しているが)。加えて防御率は驚異の1.30である。どうやって14敗もしてしまうのだろうか。

 

 

 

また、57年には完全試合も成し遂げている。しかも9回に43分間もの中断があったにも関わらずである。相手の中日が自チームのハーフスイングの判定に納得がいかず、43分も抗議したらしい。そんなにするな。この時代の日本人はみんな血気盛んなんだなと。確かに戦争とか空襲とか経験していたら、気まずい雰囲気とか、空気を読むなんて発想はくだらないだろうなぁと。

 

 

 

金田は試合再開後、チームメイトに「あと6球で終わりや、帰り支度しといてや」と公言するあたり、めちゃくちゃ尖っている。お笑いに芯がある新進気鋭のNSC生みたいな尖り方である。もう金やんは立派な中堅選手だというのに。

 

 

 

「金田の最も偉大な記録は?」という質問は、野球ファンの間で話題にのぼることは多いけれども、私が思うに58年に達成した「64 1/3イニング連続無失点」だと思う。この記録は本当にとんでもない。なぜならMLB記録(59イニング)を優に超えているからだ。オーレル・ハーシュハイザーが更新したこの記録も、海の向こうでは伝説の記録の1つと名高い。現在のNPBも統一球時代を超えて、再びHRも出るようになった。金田のこの記録も安泰といっていいだろう。

 

 

 

58年と言えば、長嶋茂雄がデビュー戦で4打席連続三振したでお馴染みではあるが、長嶋は決して金田を苦手にしているわけでもなく、対戦成績.318・18HRで圧勝していた。金田も「あの小僧、モノになるかもしれない。三振は全部フルスイングだった」と残していた。しかし、よく見るあの長嶋のフルスイング写真は、確かに球が当たったら・・・とも思ったり。

 

 

 

この5年間の成績を振り返ってみると

 

勝利数・・・100・29・25・28・31・21 合計234勝

敗戦数・・・94・20・20・16・14・19 合計183敗

奪三振・・・1143・350・316・306・311・313 合計2739個

イニング・・・1522・400・367 1/3・353・332 1/3・304 1/3 合計3279イニング

 

 

 

 金やん、プロ9年目で既に200勝に到達していた。しかもこの時点で工藤の通算勝利数をらくらく越えていた。工藤はプロ生活29年だというのに。もっと言うと山本昌はプロ30年で219勝である。この時点で現在の通算勝利数歴代13位にランクインする傑出具合はまさに「天皇」ちなみに敗戦数も歴代13位だった。(12位はハマの番長三浦)

 

 

 

もっとスゴいのは奪三振。5年連続300奪三振MLBでもランディ・ジョンソンしか達成したことがない快記録。いや怪記録なのかも。ノーラン・ライアンでも成し遂げていない記録を大昔に金田は樹立していた。この時点での歴代奪三振記録は8位。その下が稲尾で、「9年で稲尾までゴボウ抜きしたのか」と腰を抜かしたが、稲尾も14年しかやっていないので、腰が戻らなくなった。びっくりしすぎは体に悪い。

 

 

 

【総括】

総括というか、半分までしか遡っていないので、いわば「半括」になってしまうのだが、金田は、投球内容が抜けていることに気がついた。サイ・ヤングは時代柄か7000イニング投げておきながら、奪三振数が3000を越えていないし、ノーラン・ライアンは324勝しながら292敗しており、金田より大分勝率が低い。

 

 

 

また、ノーラン・ライアン曰く「若い頃、ベーブ・ルースのHR数とウォルター・ジョンソンの奪三振数は不滅」だとドキュメント番組で語っていたが、まさかライアンが抜く前に日本で抜いている投手が居るとは思わないだろう。レベルの差こそもちろんあるけど、金田の奪三振記録も不滅と言える。そもそも日本で最後に300奪三振を成し遂げたのは、1970年の江夏豊が最後なのだ。それ以降に最も近づいたのが、90・91年野茂英雄の287個だった。

 

 

 

いずれにせよ、まとめている途中に「これってWikipediaの焼き増ししているだけじゃないか・・・???」と自身のブログに対して懐疑の心境がわき起こったけど、まとめている内に自分の中の「昭和の野球」がどのようなものであったか、より鮮明に解像度が増したので、これは良い研究だった。まだ半分しか書いていないが・・・。

 

 

 

後編は、今の所書く予定ではあるけど、いつまでに書き上がるかは未定です。それまで、のんびり金田のことを追い続けていきます。やだ、これじゃ俺ストーカーみたいじゃん・・・。

 

 

 〈これも是非〉

 

 

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シーユーアゲイン なにもあげん

 

 

4勝3敗 天地の差

最近「自分にしては」相撲をみなくなった。



うーんなんでだろうか。実は自分なりに結論は出ていて、答えは多忙の一言に尽きそう。会社が終わるのが6時としても、もうその頃には大相撲中継が終わってしまっている。「関心がなくなった」というより「物理的に見られない」が正しい。こればかりはしょうがない。



関心がなくなった事はないとさっき挙げたばかりだけど、横綱大関勢の不振も個人的にちょっと痛い。関脇以外・平幕優勝のバーゲンセールが乱発している現在、俺だけかもしれないが、優勝の価値が以前より低く感じられるようになった。まるで東証1部の株価のような構図。天皇賜杯兜町にでもあるのだろうか。スーモの相撲株価の乱高下を引き起こしている。



ただ、そんな悪いことばかりではないのかも。以前に比べて格段に下からの突き上げが激しくなった。ジャニーズと似ている。キンプリがTVでぶちかませば、屋台骨の嵐もV6も気合いが入る。以前見たTVで2時間台でフルマラソンを完走するジャニーズが居て「もうそういう選手じゃん」と焼き肉喰いながら徒然思った。ジャニーズで相撲を例えるな。



相撲もこれに通じる。幕下上位が頑張れば、関取は自ずと頑張らなければいけない。陥落したら無給の付け人に逆戻り。戻りたくないから星勘定を金で買ってしまう訳で、10年前の未曾有の悪夢はこのシステムの間隙から引き起こされた。この忌々しい過去に戻りたくない気持ちは、相撲ファンも親方も協会もおそらく一緒だと思う。1世代前には無い、謎の一致団結・相撲道に邁進するそんな姿勢をひしひしと感じる。



でも、見てないながらも今場所「おっ!!!!」という出来事があったので、このブログにちょこっと書いてみようかなって、そういう感じです。



14日目のことだったと思う。この日は土曜日だった事もあり、終日休みが取れてフルで大相撲中継を見ることができた。スーモが言うフルで見たというのは「13時頃の三段目上位」から見たということである。伊達に相撲が好きだからスーモと名乗るだけのことはある。序の口から見ている人たちもいるが・・・



14日目となると、大体の力士が6戦ないし7戦(幕下以下は7番しか相撲を取らない。ほんのたまに8番取る力士もいる)取り終わっていて、出てくる力士は勝ち越し・負け越しが懸かった剣が峰な力士も出てくる。



宝香鵬という力士も今場所はその枠組みの1人で、相撲好きにはけっこう名の通った存在。かなり長いあいだ幕下に居座っていて、かれこれ7年にもなる。ゆえに相撲っぷりは分かんなくても、BSで中継を見ているとかなりの頻度で見かけるのだ。平成元年生まれ。今年で30歳になる。



その力士が勝ち越しをかけて、元幕内の豊響と雌雄を決しようという対決をしていた。どちらも3勝3敗豊響は現在幕下なものの、幕内にいた時は白鵬を押し出したこともある「猛牛」これは歴戦の強者といって良い。



しかし、その1番はあっけなくカタが付いた。立合った瞬間に、宝香鵬が変化をした。「猛牛」と言われている豊響は立合が命と言っても差し支えない。変化に弱い。というより「変化を気にして立合が鈍るのを最も恐れている」という力士だ。変化されたらひとたまりもない。



「今場所2回目の立合変化ですねぇ」とNHKアナウンサーは淡々とした口調から少し、なんというか呆れが少し入っているような、そんな印象が垣間見えた気がした。2回やったという事は、俗に言う「相撲」をしっかり取って勝ったのは2番しかないじゃないか。つまり番付が上がるとはいえ、宝香鵬は2勝5敗と対して変わらない。



勝った宝香鵬はガッツポーズをしていた。多分今後2度と忘れないと思う。あの空しいガッツポーズを。花道に下がる宝香鵬の背中をNHKのカメラは凝視している。それを視聴する俺も凝視した。足取りはなんとまぁ軽い。ショッピングでいい服買った後の女性みたいな。背中にウイングでも生えているのか、というくらい軽かった。力士は足取りの重さが命だというのに。花道を去るときも、嬉しすぎてすり足で帰るくらいであったら良いのに。



かなりむなしかった。自分は宝香鵬でもその親方でもないのに、だいぶこたえた。幕下に上がって7年ということは、幕下に上がった時は23歳で順調そのものだというのに。加えて、宝香鵬はいまだに休場したことがない。



もちろん大きな怪我なくここまで来れたという凄さもあるけど、裏をかえせば「怪我が少ない状態でも幕下」という、ある種の空しさも心に突き抜けてくる。そう言えば腹もけっこうタプタプだ。稽古しているのだろうか。(しているだろうけど)しているのだろうか。あまり「稽古が足りない」なんて、力士の日常をナメた考えをしたくないのだ。幕下でもメチャクチャスゴいのは頭に落としている。

でも・・・それでも・・・・・・



そうこうしている内に、関取の座を懸けて豊昇龍が土俵に上がっている。あの朝青龍の甥として角界の門を叩いたあと、ここまでとんとん拍子な出世を遂げ、今場所で新十両なるかという宝香鵬より遙かに大きな1番に臨んでいる。



先場所も好角家を驚かせていた。先場所も新十両が懸かった場所だったが、3勝4敗で負け越して号泣していたというニュースが報道されていたからだ。



20歳の豊昇龍が幕下上位にいるだけでも快挙だというのに、昇進できずに泣いている。そんな朝青龍の血が濃く入っているエピソードに好角家はびっくりしていた。もうそれだけのエピソードだけで将来は大関横綱が見えてくると分からせるくらいに。



果たして。立合弓矢のように十両の彩(いろどり)に突き刺さったあと、右下手を深くねじ込み、叔父を彷彿とさせる豪快かつセンス感じる下手投げで新十両を勝ち獲った。所要11場所。相撲経験ないというのに2年足らずで関取になるとは。

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「幕下上位・3勝3敗・相手十両
数多ある相撲の中で、最も変化が出やすいシチュエーションの一つだと言える。関取になれば、個室も付け人も無給と大して変わらない生活とオサラバできる。1場所でその狭き門を通りぬけられるのは、僅か3・4人という少なさ。おまけに戦う力士が全員十両に居てもおかしくない猛者ぞろい。1番でも勝ち星を拾うために変化したくなる。



そんな人生を左右する大一番に、あれだけ厳しく彩に突き刺される豊昇龍の勝負度胸は目を見張るものがある。まだ体重は120kgほどで、他のどの力士よりも、のびしろをたっぷり残している。本当に朝青龍のあとを継ぐことができるかもしれない。



宝香鵬・豊昇龍ともに4勝3敗で一点の勝ち越し。星取表だけを見たらその違いを判別することはできない。けど、その細部をまじまじと焼き付けてみると、明らかで圧倒的な違いが垣間見える。「3年先の稽古」とは角界で使い古された金言だけれども、こういう所をみてきたから、みんな口すっぱく言っているんだろうな。



という、そんな話でした。ではでは、ハッキヨイ次の更新でまた会いましょう。






<これも是非>
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シーユーアゲイン なにもあげん(と言い残し花道を下がる)

キングは死なず ただ帰還するのみ

俺は、松井秀喜が好きだ。

 
 
そりゃそうだ。まぁパワーが売りの海の向こう、俗にいうベースボールで、スピードやディフェンスではなくパワーでバチコン勝負するのだから。こんな正攻法な戦いをされたらそれはまぁ日本でも国民栄誉賞でも獲れるわけである。
 
 
 
しかし手首の骨折以降、松井の持ち味の1つであった確実性に衰えの兆しが見え、4打数0安打ないし5打数0安打の試合が徐々に増えてきた。本塁打を重ねられるのは松井の長所でもあり、当時の日本球界においては壮大なロマンでもあった。自分はどの投手から松井はHRを打てるのかと、当時出始めたボタンでパカっと開くガラケーで予想するのを日課としていた。ついでに言うと、イチローの予想は全くしていなかった。そんなことしなくても勝手に打つからである。恐るべき信頼感。打つことが当たり前という歪みきった常識に、当時は何ら疑問を抱いていなかった。
 
 
 
そんなイチローと松井が相まみえる マリナーズヤンキースのカードは、アメリカの反対な極東で屈指の黄金カードとして、NHKBSのバカでかい「料金払い込みに関するお願い」のテロップが遮るTV画面で繰り広げられていた。もちろん全く払わなかった。みんなそうだろう?????
 
 
 
さて、前述した「打てるかガラケーで予想する」件についてだが、圧倒的に松井が何も出来なかった投手が(かなり主観的ではあるが)2人居た。1人が「練習できない球を打てる訳が無い」と舌を巻いたレッドソックスナックルボーラーウェイクフィールド。れっきとした200勝投手だ。そしてもう1人がマリナーズのキングことフェリックス・ヘルナンデスである。
 

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「キング」
 
 
 
自分がMLBを観る前ずっと前からそう言われていたらしい。「イチローの後を継ぐマリナーズの顔」だとも当時は知らなかった。若い。20幾らの若手ではないか。日本だと大学生くらいの年齢だ。まさか、そんな若手を駆り出さなきゃいけない程、マリナーズは弱いのか?いや、いくらスポーツニュースの速報でも察することが出来る弱さと言っても・・・。何故松井が打てないのか。松井の衰えは思った以上に早く来ているのか・・・?
 
 
 
俺が「キング」を本当の意味で知ったのは、松井が引退宣言した位の頃である。
 
 
 
面を喰らうというのは、こういう事を言うんだなと思った。150kmオーバーの快速球が寸分の狂いもなくミットに収まる。しかもそれがクネクネとアウトロー・インローにフロントないしバックドアでギリギリに収まる。打たせて良し・抑えて良し。周りのマリナーズファンは、応援が珍しいと言われる海の向こうの野球で、キングの奪三振を「K」のボードを持ちながら狂喜乱舞している。いつでも三振に切って取れる変幻自在な投手。これこそコンプリートプレーヤー。プロ野球の常識色濃く残る俺の脳裏にインパクトを残すに十分過ぎる投手だった。
 
 
 
 
 
 
「世界は広い。松井が空を切りまくる訳だ。こんな投手が居るのか」と、借り上げたアパートの一室で、まさに茫然自失と言わんばかり天を見上げる俺は碇シンジ。そんなスーモを尻目に解説者がボソっととんでもないことをつぶやいた。
「これでも大分遅くなりましたよね」
 
 
 
マジかよ。うっっっそでしょ。いやいやいや。確かにコーナーにバシバシ決めているのを見たら「king」というより「machine」じゃねぇか、なんてうっすら思っとったけども(ここでyoutubeスマホで開き数年前の動画を見る)
 
 
 
うわ~~~~~~キングだわ~~~~~
そこには今よりもっと前に100マイル(160km)に迫ろうかという勢いで、「これが若さか・・・」と殴られたシャア。いやクアトロ・バジーナはそう言うだろう。きっぷのいい、力任せに投げているキングが居た。力自慢の地元のツレが、腕の力で第1ピンなんか考えずに投げ込まれるボウリングみたいな、傲慢な躍動感がそこに映っていた。データを見ても数年前より2・3マイル落ちているらしい。
 
 
 
でも、最も腰を抜かした場面はここでは無かった。この後投げられた変化球こそ本命であった。左打者のアウトローにするりと逃げていく89マイルのチェンジアップ。これだ。これなんだよ。これが「キング」が世界最高峰のマウンドで「king」として君臨できる最強の武器なのだ。
 
 
 
腰抜かすのも無理は無い。このチェンジアップは143km(89マイル)も出ているのだ。チェンジアップはタイミングを外す代表的な変化球だ。130kmも出たらかなり速い。杉内だって120km半ばが当たり前、そんな球種だろう???そんなタイミングをずらす気など微塵もないチェンジアップがあっていいのか?????
 
 
 
まさに居る所が全く違う投手だった。他の投手は85マイル近辺(137kmくらい)で、これでもめちゃくちゃはえーなと感心しきりだったのに、そこから約7kmも速い高速チェンジアップを操れたのは、当時はキングただ1人だった。野球の常識が一気にすげ変わった瞬間だった。
 
 
 
それから月日は経ち、エヴァンゲリオンの設定も、バックトゥザフューチャー2の舞台もカブスの世界一も過ぎ去り、AKIRAのヌルヌルした映画渦巻く、そんな近未来がちらつく2019年
 
 
 
あれから幾年月が過ぎた。140km台のチェンジアップは他の投手もバシバシ扱える量産品と化した。
「もう時代は150km(93マイル)のスライダーだよ」と髪を切ってサッパリしたメッツのデグロム。
「いや、時代は104km(65マイル)のカーブだろ」とグレインキーの投球術はますますキレ味を帯びていく
「おいおい、結局は高めの155km(97マイル)のまっすぐでなぎ倒すに限る」と引退の縁から復活したバーランダーの鼻息は荒い。
 
 
 
そんなライバル達の横で、男は新たなる旅立ちを決意しようとしている。消化試合で盛り上がりに欠けた内野席全体を埋める黄色い「K」の文字。それを一心に背で受ける背番号34 フェリックス・ヘルナンデス。マリナーズ最後の登板が始まった。
 

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ここまで慕われるのはかなり珍しい・・・

 
 
もう、ストレートなんか90マイル(145km)がせいぜい。全盛期のチェンジアップが今のストレートになっていた。もうキングが制御できる球速の臨界点を超えていた。欠点が何一つも無かった正攻法なピッチングも、時が経つにつれてカーブで目線をずらさずを得なくなり、そのカーブすら打たれていた。まだ33歳。3歳年上のバーランダーは今が全盛期というのに、ドジャースのリッチ・ヒルに至っては、独立リーグで四苦八苦して、MLBなんて遠すぎて見えないというのに何と残酷な構図だ。
 
 
 
マリナーズファン曰く、キングは慢性的な足の痛みを抱えていたらしい。2016年、チームがプレーオフまで肉薄していた時に無理を押して投げ続けた代償だという説もある。今季は右肩の痛みで長期離脱をしていた。今季1勝8敗防御率6.50 あらゆる面で限界が来ているようだった。
 
 
 
ヘルナンデスは、どんな時でも悪く言わない選手だった。今季も早くから優勝争いから脱落して、一塁しか守ったことがないエンカーナシオンが人生初2塁手としてプレーしてたりしても、ヘルナンデスは「このチームを信じている~」とか「ベストを尽くせば結果は出る~」的な事を言い続けていた。肩を怪我しても「大した問題じゃない」の一点張りだった。実際は長期離脱しているのに。俺はそれを聞き、「んなわけないだろ」とちょっと笑ったりしていた。
 
 
 
でも、人気の源はそこなのかもしれない。15年間居るアメリカでは珍しいフランチャイズプレーヤーも、キングの為に黄色い服を着て全員一丸となって、チームではなくその選手に対して応援するのはヘルナンデスしかいない。ヤンキースのジャッジだって、ヘルナンデスのような存在感を出しているのに、与えられたのは、右中間近くにある専用シート30席ないし40席だけである。あれだけのムーブメントが起こるのは本当に稀なのだ。

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(左奥の席入りづらそう・・・)
 
 
ヘルナンデスは、「まだ」というより「もちろん」現役続行の意思を既に表明している。33歳まだ老け込む年ではない。「キングは死なず ただ去るのみ」 なんてマッカーサーのような言葉は似合わない。野球スキルという面では何年も前から世界最高レベルなのだ。彼の復活した姿はマリナーズファンだけの話ではない。日本の数少ないMLBファン、全世界の野球ファンの願いでもあるのだ。
 
 
 
ファンがやるべき事はただ1つ、来年のヘルナンデスがどのチームで投げようと、そのスタジアムで「K」のボードを取り出して、「キング」の投球を見守るそれだけなのだ。
 
 
 
 
 
 
シーユーアゲイン なにもあげん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

趣味で終わっちゃったらもったいない

昔からイレギュラーな人間だった。



いっちょ前に10年は前の思い出になった中高時代は、クラスの輪の中に入っても、死海でくつろぐヌーディストじゃねぇかと思われるほど明らかに浮いていた。そうなるのも無理もない。



野球が好きなのに野球部には在籍していないし、相撲が好きなのに相撲部にもいない。しかし、携帯の中には当時1~2万円の高級品だった2GBのSDカードに、10秒から1分の細切れのように撮影した相撲の動画がざっと300本は入っていた。



みんながこそこそ持ち歩いていた人気少年マンガも、自分は「ジモンが主人公のマンガがある」という事実がツボで、ネイチャージモンをこっそり見ていた。高校生のスーモは寺門ジモンがグルメ語っている時こそが、日本一面白いと思っている物珍しい少年だった。



そんな事をやっていたからか、それから10年後、また奇妙なイベントを催していた。



「独演会」ってのをやってるんですよ。



フォロワーさんの方々なら、1度は見たことがある(かもしれない)Twitter見てたら定期的に浮上してくるあれ。それはかなり不思議な140文字だ。「スーモ第6回独演会、8/24(土)アートスペースプロットで~」という何のこっちゃ分からない文章が、Twitterを滝のように流れてくる。
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そんなビリジアンとマゼンタみたいな、あまり馴染みのない色が混ざって何色でもない色・・・みたいな光景を目の当たりにした方もいらっしゃるかと思いますが、とにかくそういうのをやっているんですね。



このライブには趣旨がありまして、わたくしスーモが
「好きなMLB・大相撲・或いはその他のジャンルの面白い話を聞き役に対して語る」という中々見ない形のライブになっているんです。



まぁ、一言でいえば、変なんですよ。そう、ものごっつう変。



毎回DMで、来てくれそうな知り合い、同一の趣味を持つファンに送信していて、「何なんだこの人は・・・」と思われてそうで、この点だけ胸に来るものがある。



そもそも、プロでもないアマチュアの人が、トークライブを開いて、しかも好きなジャンルという縛りトークで、「独演会」なのに何故か「聞き役」という赤の他人は居るし、おまけにTwitterだけでは何がなんやら分からんからちょっと不気味だし、180cm・160kgの芸人さんと相撲取って、がっつりパワーボム掛けられるライブって何だよってなりますよね。小松未歩の「謎」より55倍謎。




今回は、そんな独演会が先日終わったので感想とか内容とか、「何故そんな事を始めて続けてるのか」という事を徒然と書いていこうと思って今回はこういう記事を書いていると。



というわけでまず、何故こんな事を始めたのかということから語っていこうかな。



元々、自分は大学生の時にお笑いサークルに居ました。なんで日米野球の選手紹介記事をブログに上げている人が、野球サークルじゃなくてお笑いサークルなのかというと、失礼かもしれないけど「そっちの方が面白いから」です。



野球ファンに野球談義をするのも当然面白いんですが、それよりも、「お笑いに精通している人と話をする」方がどうしても面白いんです。元々お笑いが好きという自分の性分もあるんですが、兎に角、面白い事に対して常にアンテナを張っているからか、



「トレバー・バウアーって人がドローン弄くってたら、WS中に指切って登板できなくなった」



「北天祐という昔の大関が、ゲームしてたら立ち上がるときに足を滑らせて骨折して休業した」みたいな、人生で何も役に立たない、スポーツのこぼれ話を非常に面白がっていて、



「こんなに有るんだったら、いっそのことライブでそれだけを語ってみたらどう?」と話を持ってきてくれたんです。



という訳でライブを始めまして、第一回の独演会が2年半前に行いまして、無事大盛況で終わったんです。2時間弱だったんですけど、ダレる事なくしっかりウケて、「大成功」だなと噛み締めながらも「ここはあまりハマらなかったの悔しいな」と反芻しながら打ち上げやっていました。こんな漫才もコントもしない道楽で反省しちゃいけない。



「ウケる」という感覚は、会話で誰もが経験してると思いますし、やはり気持ちいいと感じると思うんですけど、「舞台に出てウケる」というのは、これはね、やった人にしか分からない、もう他では味わえない特別な感情なんですよ。



ライブ前は「なんでこんなことしなきゃいけないんだ…………。」と自らの感情を大いに悔やみ、嘔吐いたり、壁にシャドーボクシングやって落ち着かせる幕之内一歩みたいな事してるのに、結局また舞台立っている。そして「やればできるもんだな・・・」という、自己肯定感、その他諸々が合わさった喜びというのは、MLB見ても、大相撲見ても、どんなドラマの名シーンを見ても、絶対味わえないものだなぁと。



ゴリゴリの大阪・吉本のNGKに立っている漫才師のような真っ向勝負な正当派漫才ならまだしも、こんなへんちくりんな事やってもウケたらとんでもなくうれしいです。アキラ100%を見て、「ここまでして笑い取りたいものなの・・・?」と思う人もいますけど、ここまでしてお笑い取りたいです。他の人よりもほんのちょっっっとだけ気持ち分かります。



簡単にいうと、この感情を味わいたいからその後も続けて、先日第6回の独演会を終えたと。ここまでが先日までの独演会の流れなんです。



でも、準備にかなり時間を要するし、普通に会社員として働いている以上、必ずしも時間が余っている中で構成を考えている・・・という訳ではないので、もう「そんな事してる暇あったら、資格勉強した方が良くないか???」という葛藤はかなりあります。



一日考えてアイデアも思いつくわけでもないし、全然本番にスベり続ける事も考えられるし、やめる理由なんて何十も出てくる。でも結局やめてないのは「趣味で終わるのがもったいない」




一日考えてアイデアも思いつくわけでもないし、全然本番にスベり続ける事も考えられるし、やめる理由なんて何十も出てくるんですが、でも結局やめてないのは「趣味で終わるのがもったいない」という、ワンガリ・マータイさんみたいな、そんな状態になっている。



仕事の疲れを癒やすために、趣味なり遊びなりする訳なんだけど、疲れ取った後に残った趣味に関する膨大な知識は、仕事で使うことも家庭で使うことも、親に話すこともない。言わばトマソンのようになってしまう。例えだって昔の巨人助っ人。ストレス解消とはいえ、明らかにもったいない。



そのもったいない知識が、人前で披露できて、なおかつ盛り上がるのがこの独演会なので、まさしく知識のリサイクル状態。雑学プルサーマル計画を行えているので、知識の資源ゴミも出ないと。これは一石二鳥である。



つまり、恥ずかしがらず何らかの発表できる場をもつべきなのだ。絶対に。



他の人の目なんか関係ない。もっと言うと成功とか失敗も関係ない。とにかくやってみる。これが絶対大事。ワンガリ・マータイさんみたいに、「女であるにもかかわらず意志が強すぎて、コントロール不可能であると夫が国に訴え離婚させられる」所まで行かないにしてもだ。



成功・失敗気にして、やりたいことやれていない人が圧倒的多数な状況。Youtuberやってみたいと思うなら、自分がYoutuberやるべきなのだ。別にそれがチャンネル数10とかで終わったとしても別にいいと思う。



問題はやってもいないのに、あーだこーだ言う事が1番恥ずかしい。やって失敗は「それに合っていないという成功」とも捉えられるし、やりもせず不平不満を言うのは失敗する以前の段階で失敗している。そして何より見苦しい。同じ場に立っても居ないのに表現者を妨害している訳なのだから。



そんなことを考えていたら、もう日が傾いてきた。自分が出来ることをやろう。他人が出来て自分ができないとか考えないように今日も生き延びた。生き延びたら周りの目を気にしない限り、いくらでも好きなことが出来る。



また絶対に独演会やりますので、是非御来場して下さい!意思強すぎてまだ見ぬ妻から国に訴えられない限りはやり続けます!!何卒よろしくお願い致します!!!!!!






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中日与田監督「お前~」発言についての私なりの考察

中日は今季も不調である。

 

 

 

落合監督退任後から遅遅として進まない再建プラン。「よーしやってやるぜ!」という士気が微塵も感じられないフロント陣営。2013年から負け越し続きで、今季も既に借金は2桁を数える。同時に上手くいかない若手の育成。小笠原はやっと怪我から復帰したばかりだし、スーパールーキー根尾に至っては2軍で.169 1HRという壊滅的な成績である。

 

 

 

幾らルーキーの19歳だからといっても、同時期のヤクルト村上は.288 17HRに加え出塁率王だったし、今年開花した高橋 周平だって.240 7HR打っていたのだから、根尾が開花するのは果たしていつなんだろうか、などと考えるとお先真っ暗である。再建プランを立てようにも立てられないのが現状だ。

 

 

 

そんな状況下であるからして、中日ファンのフラストレーションが溜まるのは至極真っ当である。入った会社が赤字決算で一向に上昇気配が見えずに、上層役員は事なかれ主義の士気を感じられない仕事態度なら、どの部下だって鬱憤が溜まるだろうし、現状の中日はそれと同義であると思われる。ドームの立地も飯も悪いから、近くのイオンで弁当を買うって話は、中日ファンからよく漏らしているあるあるだ。

 

 

 

そんな状況下で、またちょっとしたゴタゴタが繰り広げられてしまった。与田監督の「お前~」発言である。

 

 

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190703-00000013-sanspo-base

 

 

 

結論から言うと ピンクレディー・サウスポーの「『お前』が打たなきゃ誰が打つ」の部分を「『お前』が教育上良くない」という理由から「球団の方に『お前』という表現を『名前』にしてくれないか、とお願いしたこと」と、与田監督が球団に直訴したのが事の発端のようで、決して与田監督が「応援をやめろ」とは言っていないとのこと。ただ、「お前」の部分を「名前」にして欲しいと、球団に提言したという話である。

 

 

 

気持ちは大いに分かる。誰だって「お前」といわれるのは嫌いである。大したことない上司から「この仕事はお前がやれ」とか「お前だからしょうがないよな」とか言われて腹が立つことは誰しもあるはずだし、それに、そもそも自分の名前がある。自分の名前・名字を言えばこのトラブルは容易に避けられる。そんな容易な工夫が出来ない相手側に問題があるのは明白だ。与田監督の提言はもっともである。

 

 

 

しかし、それらを踏まえても与田監督の「お前~」発言は個人的にあまり賛同できない。これは、外野の意見と同じである。

 

 

 

そもそも、「お前」という言葉は、日本語の中でズバ抜けて広義な言葉なのだ。

 

 

 

確かに上記のように腹が立つ事もあるだろうけど、その原因を辿っていくと、「お前」を「命令」や「批判」として使っているからだ。

 

 

 

「お前がこの仕事をやれ」この文章は完全に命令文であるし、「お前だからしょうがないよな」とかはそれこそ「批判」である。つまり人をコマ扱いしたり、自分より明らかに下に見てナメているから腹立つのだ。もし発言者が対等な立場だと思ったら、そもそも蔑称は絶対に言わないし、人に仕事を頼む時は「ちょっといい???」の一つくらいあるものである。

 

 

 

でも、「お前」というのはこういった場合にのみ使う言葉ではない。

 

 

 

「お前やっぱスゲェな!!」と「尊敬」の意味でも使うし「お前に頼んで良かったよ」と「感謝」や「期待」を表す時にも使う。良い機会なので意味も調べてみた。元々「お前」とは、「御前」や『大前』という神仏・貴人を敬っていう言葉らしく、そこから長い年月を経て今のような形になったようである。

 

 

 

このように「お前」は非常に多岐に渡って使われる言葉で、「お前」と言われたからって、人を侮蔑している時もあれば、人を敬っている時もある。つまり、「シンプルかつごっつ難しい」言葉なのだ。

 

 

 

加えて、「お前」という発言の大きな特徴の一つに「良い悪いあれど、一定以上の関係性がないと絶対に出ない言葉」だということが挙げられる。

 

 

 

よもや内閣総理大臣に向かって、「お前がしっかりしていないからだ!!」と面を切って伝える一般人などいろう筈もない。そうバッシングしているのはいづれも「国会議員」という同じカテゴリに居る人達が大半だ。一般人よりも明らかに近い存在なのだ。もし、一般人で同じように言っている人を見かけたとしよう。もし見かけたらこう思うはずだ。

 

 

 

「うわぁ・・・この人とは関わらないようにしよう・・・」と思うのが関の山であるはずだ。

 

 

 

島田紳助に「お前は~」と勇猛果敢にツッコミを入れていたのは、他でもない明石家さんまである。同い年の同期の桜。誰よりも親しいし、誰よりも大御所である。もし、俺が「お前が~」などと島田紳助に突っ込んだとしよう(そんな場面絶対起こりえないが・・・)

他の芸人・視聴者の心臓が止まることウケ合いである。「神をも恐れぬ男」として逆に崇められるかもしれないが、一つ言えるのは命が幾つあっても足りないという事実だ。「お前」という言葉は、親しいからこそ出る言葉でもあるのだ。

 

 

 

改めて、サウスポーの歌詞を振り返ってみよう。「お前が打たなきゃ誰が打つ」は「打たなきゃ」という言葉が入っているので、「期待」の意味で使っている。しかも「他に打てる奴なんか居ない」という隠された意味も入っている。つまり「お前じゃ無くては駄目だ」という「他のバッターの評価を下げてまでも、今のバッターに懸けている」というメチャクチャ期待された歌詞である。

 

 

 

「お前じゃなきゃ駄目だ」と上の人に言われて嬉しくない人など居ないだろう。(ちょっとした胡散臭さも感じる時もあるが・・・) ともかく、これを言われて「う~ん」というのは「お前」を「侮蔑」の意味で取ってしまったからだと思うし、完全なミスリードである。

 

 

 

もし、これに怒る人が居るのなら、他のメンバーを下げている訳だから、ネクストバッターズサークルに居る打者か、ベンチで指くわえて待っている打者なら分かる。「オレジャ ダメ ナノカ・・・」とビシエドがガッカリしてたら、それはもう申し訳ないし、堂上弟が「うおーーー!!!!」とか言って猛然とベンチ横で素振りしてたら、ちょっと戸惑ってしまう。

 

 

 

しかし、今回文句を言っているのは他ならぬ与田監督で、全く下げられている対象ではない。評価できるとすれば、「誰かが傷ついてしまうかもしれない」と気を配りすぎた点だ。勿論、気を配るのは大事なことなんだけども、気を配るポイントがあらぬ方向に行ってしまった。気を配らなければいけないのは、今季フル稼働のロドリゲスや勤続疲労でクタクタな又吉なのである。2017年の50登板・110イニングという又吉の成績に勿論イエスは言えないし、それ以前にかなり寒気がする。もっとも与田監督の責任ではないのだが・・・

 

 

 

お前は失礼には当たらないという説明に関しては、これで切り上げるとして、次の論点は「何故、『名前』に変えて応援せずに、そのまま休止にしたのか」という点である。もっとも

 

 

 

「監督の意向を応援団に伝えた。応援団側もすぐ対応できず、いったん休止して調整するという話になった。前向きで友好的に進んでいる」

 

 

 

という球団側からのコメントも出ているので、休止にした理由もこのまま鵜呑みにせざるを得ないのだが、応援団側からしても、そりゃすぐに対応は出来ないだろうと頭を悩ませていることだろう。というのも「お前」という言葉は便利すぎるのである。

 

 

 

僅か3文字で相手に伝えられるという簡便さ。「期待」「尊敬」「親しみ」「軽蔑」「命令」とあらゆるシュチュエーションでも対応できるという、日本語屈指のユーティリティ性を併せ持つ希有な言葉なのだ。どんな人でも日本語のロースター入りさせているであろう屈指の万能選手である。

 

 

 

これが同じ3文字、例えば「あなた」とか「てめぇ」ではサウスポーの歌詞に乗っけたとしても同じように伝わってこない。

「あなたが打たなきゃ誰が打つ」では、プロ野球選手になる程の、筋肉モリモリマッチョマンに向けての言葉としては、どこか何とも言えぬ違和感があるし、「あなた」を使うことで逆によそよそしいイメージにも感じてしまう。

「てめぇが打たなきゃ誰が打つ」では、これはもう選手にリスペクトの欠片もないし、応援団にも何様だよと応戦せずには居られない。応援ではなくもはや闘争になってしまう。

 

 

 

では選手名を使うとどうなるのか。これは先述したよそよそしさも醸し出してしまうし、何よりも語感がかなり損なわれてしまう。

 

 

 

名字・名前ともに3文字の藤井 淳志なら、そのまま置き換えて使っても、リズムを損なうこともなく、ちょっとよそよそしさもあるが、取り敢えずサウスポーで伝えられる。しかし、高橋 周平なら4文字・5文字なので、どちらを使っても無理矢理歌詞に当て込むしかなくなってしまう。鼻歌で口ずさんだら一発で分かるはず。「しゅうへい 打たなきゃ誰が打つ」「たかはし 打たなきゃ誰が打つ」では「が」を犠牲にせざるを得ない。格助詞を言えないというハンデを背負う。

 

 

 

これがもう小笠原 慎之介の場合は大惨事である。5文字・5文字ではどうする事もできない。まぁ、投手だからほとんど打者として、この応援を受けることはないのだが、どうしてもこの場合は「お前」を使わざるを得ないだろう。また、ビシエドの場合は、名前がダヤンなので、「ダヤン」を使えば支障はないが、他球団ファンからしたら「???」である。ファーストネームがダヤンなのを知っているのは、中日ファンか、ホワイトソックス時代からMLBで追いかけている、コアなMLBファンしか居ないだろう。

 

 

 

それでも、「お前」を使わずにサウスポーを使いたいのならば、「3文字のアダ名」を使えば、語感を損ねず、かといってよそよそしさも出さずに、親しみを込めて伝えることも出来るだろう。

 

 

 

しかし、3文字のアダ名を各選手につけるってのもかなり難儀だし、アダ名こそ逆に選手の怒りを買ってしまう危険性もある。「ガッフェ」とか言われている栗山監督は端から見てちょっとかわいそうだ。ガッフェは「がっつりフ○ラ」の略らしい。

 

 

 

まぁこういうアダ名は影でしか言われないけど、こんなのを応援歌で言われたら堪ったもんじゃない。まだ「お前」の方がマシである。

 

 

 

 長々と「お前」について語ってしまったが、お笑い芸人の陣内 智則がもっと的確にコメントしている。本当にもっともだと思った。

 

 

 

プロ野球応援歌。

「お前〜」と歌う表現が不適切?

愛のあるお前。尊敬してるお前。

いよいよこんな時代?

「お前やないか!」という愛のあるツッコミも 「間違ってたらすみません…あなたではないでしょうか?」

とツッコまないといけない

クソおもろない時代に?

そんな事ないよね。。

 

 

 

「お前」

 

確かに言われるとムカつく時もあるかもしれないけど、冷静に考えたら様々な意味があって味わい深い言葉だと思う。「お前」が必要な場面というのは必ず存在するし、「お前」の代替の言葉は意外とない。パワプロくんでお馴染みの表現「そこのお前」も「そこのアナタ」になってたら拍子抜けだろう。フリーザが言っていたら話は別だが、フリーザが野球のコーチになる筈もない。

 

 

 

それ以前にプロ野球にはもっと先に直さないといけない問題があるはずだ。柳川事件からのプロ・アマの交流断絶から始まり、セ・パ戦力の不均衡・集客・TV離れ・人気下降・高校野球の球数制限・球児の減少etc・・・いつでも一寸先は闇なのだ。もっと言えば、一寸先は闇でないコンテンツなどないのだ。「お前」問題にこんなに足を取られている場合ではない。

 

 

 

もっとコンテンツとして進化を目指さなければ、明日にも衰退しているかもしれない。常に危機感を持って、プロ野球の発展に尽力を尽くして欲しい。そしてファンも一丸となって、いつでも満員でファンも一見さんも楽しめるような環境になるよう配慮すべきである。

 

 

 

一ファンより プロ野球の恒久の繁栄を願って 少しでも環境がよくなれば幸いです。

 

 

 

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金持ちになったところで

暑くて機嫌がちょっと悪いからかな。最近、かなりこういうことを考えてしまう。



1人暮らし。結構良いものだ。稼いだお金は全て自分の裁量で好きなように使える。別に3万円もするサクラ大戦complete boxを買ったところで誰も怒られない。ちなみにそれは前後作になっていて後編は9万円もするので、流石にそれには理性が働いた。



ん???????



金必要か??やっぱ????これは必要かもしれんなぁ。好きなものを自由に買えないからなぁ。やっぱ必要か。



でも、それが買えないことに対してのストレスというか、そういうコンプレインは全くない。「買えたら買いたいなぁ」という感じ。あの、仕事が上手くいかなかったときの、「コーヒー!!!!コーヒー飲みたい!!!!!!!」という感じじゃない。彼女が居なかった時の「あぁ・・・・・・このまま息絶えるんだ・・・誰からも愛されることも無く・・・・・・」という絶望的な感じもない。



これが30年前・50年前だったら絶対お金は必要な気がしてきたが、もうそうでもないかもしれない。



何故なんだろうか。もう金が無くても楽しめることが多すぎる。少なくともスーモは。これはかなり感じてしまう。Youtubeという無料コンテンツが、無料の域を超えた面白さを提供しちまっている。



音楽借りよう♪とTSUTAYAに出向かなくても、Youtubeで履歴というプレイリストを作れば、借りに行かなくても、好きな曲を無限に聴ける。檄!帝国華撃団も幾らでもループ出来る。語りの部分で恥ずかしくもならない。1人暮らしだから。それよりも、時々勝手に再生されてしまう 梅沢富美男の「夢芝居」の方が厄介だ。何故なら、女形早乙女太一がずっと画面に映っているからだ。



www.youtube.com




正直、「楽しさ」という面からすれば、こういうやり方が最もコンスタントに安定してテンションを保てているなと。これが30年前のバブル時代なら、車の一つでも買って、同僚に見せびらかせないといけないのだが、そういうのに興味を持たなくていい時代になってホッとしている。



食事にしたって、少し出費を我慢すれば、A5ランクの和牛を近所のスーパーで買えるから、食に関しての豊かさを求める心もない。焼肉ならスタミナ苑だ。あそこの焼肉は肉もサイドも天下一品だ。少し高いが、1人1万円もあれば、それにありつける。そして、それが毎日喰いたい訳でもない。




やっぱり「ある程度自由が出来るお金」さえあれば、そこからいくらお金持ちになった所で、あまり「幸福」という面では変わらない気がする。



それより時間だ。自由時間がたんまり欲しい。大学の時は高過ぎて手が出せなかった旅行が、今はお金があったとしても、10日も休みが取れないので、大学生の時より可能性が低くなってる。アイスランドに1回行ってみたいんだけどなぁ…。



仮に金持ちになったとして、億単位で何十坪の土地を買って、世田谷とか芦屋に家建てて、豪華な家具揃えて、近隣住民に見せびらかした所で何になるというのだ。そうやって周りに自慢して、自分の醜い素顔に家の中でガッカリしているだけな気がする。おまけにメジャーリーガーの方が金持ちだし。



車なんかもっとそうで、車にかかる税と修理代もかかるし、高い車買って運転して何になるのかも分からない。東京に住んでいたら、もっと車なんか要らないし、東京の道はイカれている。よくあそこを運転してるよ全く。営業車なら分かる。それはしょうがない。問題はプライベート。道が分かりづらくて狭すぎる。わざわざ事故しに車を買いたくもない。



しかし、それ以外の出費がかなりかさみそうだ。養育費が本当に痛そうである。実際自分も小学校以外私立だったので、アホかかっている。でも、親が全然しんどそうじゃなかったな。子供ってスゴい存在なんだな。



服もしっかりした物を買うと意外と高いんですよね。年単位で着れる代わりにお金は結構とる。1人焼肉位とってる。



となると、暮らすだけなら全然暮らせるけど、贅沢をするのならもっとお金は必要という事になる。別に今でも充実してるから増えなくても良いけど、増やしたら更に色々な事が出来る。



ここでふと、最近引退したメジャーリーガーを思い出した。フィリーズの主砲であるライアン・ハワードだ。5年1億2500万ドルという年25億円は貰おうかという契約を結んだ彼が、引退後投資家に転身していた。つまり「こんだけ貰ってるのに、まだ稼ごうとしている」のだ。



デレク・ジーターマーリンズのオーナーをしているし、人間はどんなにお金稼いでもまだ稼ごうとするものかもしれない。人間は想像以上に欲望オバケである。



結論
「お金はある程度あれば困らない。でもあればあるほど良い。そして、使える時間もあれば尚良い」QED



これから東京から東北に出掛ける。お金が瞬く間に飛んでいった。さて、我が身を使って証明してみますか!






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10年前の「選ばれし者」 マット・ウィータースの今

    -チームメイトからのあだ名は「神」-



男は、かつてそのように呼ばれていた。かつて同じ職場・・・というかフィールドで働いていた同僚は「もう『すげぇ』しかなかったよ。マジで打つし、マジでスゴイ選手さ」と舌を巻いたらしい。



統計学者のネイト・シルバーという学者は、PECOTAという成績予測プログラムを作成し、大統領選挙で50州中49州の開票結果を正確に当てたらしい。そのPECOTAがその選手を査定した結果は、「殿堂入り間違いなし」とはじき出したそうだ。



捕手でかつスイッチヒッターという、稀代な万能さを併せ持つ彼を、マイナー時代から数多くのスカウトがその選手を観てきた。そのスカウト達は一様にその運動神経・野球センスに脱帽した。

アベレージ:「毎年のように3割は打つだろう」
長打力:「左右どちらも打てる。30HRはたやすい」
肩「その気になればクローザーも出来る」
守備「これから徐々に上達し、平均以上を見込める」
スピード「完璧な選手なんてそうはいない(笑)」



これは今から10年前、つまり2009年に発売されたMLB雑誌「スラッガー」の、とある選手の特集記事を抜粋したものである。表紙にでかでかと「未来のスーパースターがここにいる」と銘打って、気持ちよいフォロースルーをしている彼の写真が共に写っている。



アメリカでは、このようなスター選手が出ると度々「The chosen one」(選ばれし者)と紹介される事がある。その最たる例が、フィリーズブライス・ハーパーだろう。野球界のレブロンジェームスと言われている男である。そのようなあだ名が付けられて然るべきだ。だから、10年前の「選ばれし者」と言えば、真っ先に彼の名前が挙げられるだろう。



ただ、俺がMLBを見始めたとき、つまり2012年頃なのだが、彼は言うほどスゴイ選手とは思えなかった。確かにチームにとっては不可欠だし、その2012年はゴールドグラブ賞も獲っていた。しかし、ツインズには盛りは過ぎたものの、マスクを被りながら高水準の打撃を披露したマウアーが居たし、ナ・リーグではジャイアンツのポージーが捕手でありながら首位打者を獲っていた。



それに比べたら、彼の.249・23HRという成績はいささか見劣りがするものだったし、この翌年辺りから、ア・リーグにロイヤルズのペレスが打撃力・キャノンアーム・存在感で一気にリーグの顔となり、そこから、ヤンキースのサンチェスなり、カブスのコントレアスなり、フィリーズのJ・Tリアルミュートなりがめきめきと台頭して、その選手がポッと思い浮かぶことも少なくなった。



マット・ウィータース 33歳



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彼は、おそらく人生の岐路に立っている。去年のナショナルズでの成績が悪すぎて、今季はぎりぎりカージナルスマイナー契約として拾ってくれた。勿論スタメンではない。カージナルスには、それこそ殿堂入りも見えてきた不世出の捕手、ヤディアー・モリーナがホームベースをがっちり守っているからだ。


しかし、モリーナは4巡目指名で、1巡目のウィータースとは入団時の評価がかなりかけ離れていたし、ウィータースの契約金は600万ドル(約6億6000万円)という超高評価だった。



かつて神と言われた男が、今やバックアップ



一体、何がここまで明暗を分けたというのだろう。いや、そりゃもうウィータースも、その他の1巡目に比べたら出来は良い。同じ一巡目には、去年ロッテで3塁を守らせて貰えなくて泣いたマット・ドミンゲス 捕手では、2013年伝説の打撃成績、打率.194出塁率.227を記録したJ・P・アレンシビアなども居た。



アレンシビアに比べたら、ウィータースは本当に良い捕手である。決して「育成失敗」かと言うと、それはお門違いである。しかし、この年の全体1位、レッドソックスの顔の1人デビット・プライス並みの存在感を出して欲しいのもまた事実である。



そんなアレンシビアが、2013年のWBCアメリカ代表の正捕手だった~という話はいつかするとして、ウィータースは10年前とは比べものにならない待遇差で、MLBにしがみつかなければならない状況である。



一体この10年間で何があったのだろうか?



まず、ウィータースは「捕手にしてはけっこう打てる」選手ではあったが、「捕手だとしても塁に出られていない」選手でもあった。現在の通算出塁率は.315 MLBの平均出塁率.320近辺な為、ウィータースは平均よりやや下である。特に、2017年シーズンは出塁率が.288と3割を切っており、スタメンとして試合に出るにはかなり危険水準。まぁアレンシビアよりは良い。アレンシビアは.227なのだから。



そして、ウィータースの凋落の最も大きな原因の一つに、フレーミング能力の欠如が挙げられる。フレーミングとは、きわどいコースに来た球をストライクゾーンに入っているように捕る技術のことで、ここ最近のMLBにおいて一気に注目されるようになった。


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2014年のパイレーツの躍進が注目されるきっかけで、当時の正捕手マーティンが、一見すると打撃成績が悪く他の球団から目に目に付けられなかった所を、パイレーツがフレーミングの技術に目をつけて好待遇で契約。パイレーツがポストシーズンに進出する原動力ともなった。しかも、出塁率は.400を超えていて、ウィータースと比べると8%ほど塁に出られるので、オフは更なる好待遇でブルージェイズに引き抜かれた。



ウィータースはこのフレーミングが大の苦手だった。いや、正確に言うと「かつては上手かった」と表現するべきだ。



アメリカの指標文化というのは本当に優れていて、今やフレーミングの優劣も数値化しているのだが、0が平均のこの指標において、2011年の数値が9.8に対し、2017年のフレーミングの数値が-11.1と猛烈に悪くなっている。



どれ程悪いかというと、こんな動画が出来る位フレーミングが良くない。
www.youtube.com



事実、この動画の元となったナショナルズ時代のウィータースは、ポストシーズンになると、毎回その拙いフレーミングできわどいコースの殆どがボールになり、ファンのフラストレーションを煽っていた。



打撃は言うほど良くない。そして、きわどいコースはボールになる。年ももう若くない。→メジャー契約は得られない こういう図式である。



ウィータース不振の原因は他もある。言わば「あるある」なのだが、ウィータースは怪我が多かった。2014年に捕手でありながらトミージョン手術、去年は膝の手術と体は常にメスだらけで、特にずっと座り続けの捕手で膝のメスを入れて良いわけが無い。しかも、トミージョン手術をしたという事は、1年近く休養期間があったという事でもある。にも関わらず膝をメスを入れているのは、本当に状態が良くない。

jp.reuters.com

この記事によると、ハムストリングにメスを入れる状態というのは、アスリートにおいてほとんどないらしい。確かに肘・膝・肩に入れるのが野球界のよくある手術ケースだから、太ももにメスを入れた選手はあまり聞き覚えが無い。



そういえば、Twitterをさかのぼってみるとこんなツイートがあった





・・・ ・・・ ・・・



これじゃないか・・・????????



おそらくウィータースのフレーミング技術の低下はここにあると訴えたい。「足の状態不良から来る、キャッチング姿勢の悪化」にあると。昔は足も良くてフレーミングに生かせていたのが、足が悪くなるにつれて、フレーミングに向かないキャッチング姿勢になってしまい、急激に下手になってしまったと。



そんな状態なら、足が悪いからと言い訳の一つもしたいものだが、それがファンや記者に届くことはないだろう。あれから10年経った今、英語記事ですらウィータースの一挙手一投足を伝えている媒体はない。ましてや日本のファンというニッチなカテゴリーには・・・である。



「これから上手くなるだろう」とスカウトから守備について言われていた男が、「上手かった」時代を通り過ぎ、今や「下手すぎてバックアップなら何とか」という所まで来た2019年。ウィータースも30台半ば、恐れも知らない神だった男が、今や酸いも甘いも知る崖の端でもがく雑草となっている。



確かにMLBはとんでもなく華やかだ。昨日のドジャースの試合では、毎年40億円はもらおうかというドジャースの大エース、クレイトン・カーショウが、美人の奥さんと娘2人をマウンドに立たせて始球式させていた。しかし、いつまでそんな汚れ無き生活が続くというんだ?一瞬だろう??そんなのは気まぐれな神が微笑んだまやかしじゃないか。それは10年前の神が証明してしまっただろう???おそらく、その事はカーショウが最も身をもって知っている。



今、母国に帰れば国を挙げて歓迎されているプレーヤーの影で、かつての天才がなりふり構わず、プライドを棄て泥臭くこの大舞台にしがみついているのもまたMLBなのだ。






さて、俺ももういっちょ頑張ってみよう。神だってくらいついているのだから。





<これも是非>
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シーユーアゲイン なにもあげん