インドのピラニア

野球・相撲 時々その他 自由きままに書く インドのピラニアのように

1$マネーウォーズで「10兆円」スッてしまった峰不二子

ブログなんて勢いである。



あのモンキー・パンチ先生が亡くなったと聞き、会社から帰宅してすぐに、ベッドに佇むスマホいじりミイラと化してしまうのだが、こういう日ばかりは筆ならぬフリック入力が進む進む。そしてGWまで止まる。



やはりモンキー・パンチ大先生の逝去の影響は凄まじく、金曜ロードショー名探偵コナンの映画の上映も、親の顔、いや言い過ぎた。地方に住む祖父母より見たマモーに変わっていた。またラストのデカすぎる🧠に背筋が凍ってしまうようだ。ルパンに「実際クラシックだよ。お前は」と去り際に乙なことでも言われてしまいそうだ。



さて、日本マンガ・アニメに燦然と輝く金字塔といっても差し支えない作品であるルパン三世。30分アニメ・2時間スペシャル・映画等、あらゆるジャンルに名作が目白押しである。そして「何が一番傑作なのか?」というのは、見たことある人なら必ず考えた事があるはずだ。



おなじみ「カリオストロの城」?
モンキー・パンチ直々に筆を執った 「DEAD or ALIVE」?
初めてのTVスペシャル 「バイバイリバティー危機一髪」?
エヴァの匂いが残る 「ワルサーP38」?
それとも宮崎駿が照樹務名義で作った30分「死の翼アルバトロス」?



カリオストロの城以外にも挙げ出したらこれらが争いに加わるし、1st(初めてTVアニメにした時は、色々攻めすぎて失敗したものの、ファンからは依然評価は高い。)や、炎の記憶・ファーストコンタクト・モザイクなしのおっぱいが出まくるトワイライトジェニミの秘密も放ってはおけない。



まぁ、それくらいの怪物作品なのだ。ルパンは。加えて色褪せない神OPミュージック。サザエさんの次に続いている作品だ。そこにぬかりはない。



しかし今回、私が取り上げるのは上記に挙げたその名作達ではない。「ルパン三世」と言われてすぐにこの作品が頭に浮かぶ人はあまり居ないだろう。だが、このタイミングで敢えてこの作品を推したい。



2000年のTVスペシャル「1$マネーウォーズ」である。



場面はまずアメリカから進んでいく。ピカソの絵が目玉のオークション会場に、ルパンが潜んでいると睨んだ銭形警部が、USAのパトカーに乗り込みたばこを加えながら向かっている所に、モブが「この車は禁煙です」と言われ、「ケッ・・・これだからアメちゃんはよう・・・」とゴネて始まるこの作品。



会場についた銭形警部は、1カラットもないチンケな指輪に、100万ドルで落札しようとする老人が。しかし、電話越しで争っていたマダム(電話で参加できるものなのか?)に100万1ドルで落札され、ここでもゴネる老人に突然手錠をかけた銭形が一言、「さてはおめぇルパンだろ???(悟空)」と見抜く。覆面を脱ぎ捨てたルパンが登場し、とっつあん・ルパンのお家芸の鬼ごっこが始まる訳だ。そして敵の一味に絡まれた後、ルパンのお馴染みのOP・そして最高傑作と名高い、97年版のOPがカーチェイスと共に流れる。



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ここで颯爽と登場するルパン一味達・・・なのだが、ちょっといつもと様子が違う。そして峰不二子が一面に登場した所で、疑念が確信に変わる。



峰不二子が、非常に残念なのだ



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TVスペシャルの初出の場面で、峰不二子というアニメ界のセックスシンボルに、あろうことかワルイージのあごを乗せてしまったこの1$マネーウォーズは、見事に視聴者へのファーストコンタクトに動揺を与え、早くもファンから語られることも無くなってしまった。勿論、この作品の敵の親玉は「シンシア」という投資銀行の女性社長なのだが、やはりアゴが長く、手放しで美人とは褒め難い。



話が進んでいくと、恒例の不二子のルックスを生かしたお色気シーンもあるものの、
(Ex.ナイフ使いに切り刻まれ、服が良い感じにボロボロになる・敵が天井に仕掛けた磁石に、結構でかいブラジャーが吸い付く等)
いつもの作画ならまだしも、この絵が90分続いてしまうのだから、魅力的と称えるのはかなり厳しい。そもそも、「ナイフ使い」がかり出される「お色気」とは一体?



まぁそういう事だ。この作品、一言で言えば「アニメ」なのだ。映画で緻密に何もファンから言われぬようストーリーをガッチガチに固めたものではない。かといってルパンらしいカッコいいシーンを詰め合わす作品でもない。あるのは徹底して「アニメ」であるという事。



作画が雑でも良いじゃないか。当時のクレヨンしんちゃんだってみさえのアゴがとんでもなかったんだ。面白けりゃいいんだよ。面白けりゃ。という「面白けりゃいい」という割り切りっぷりが1$マネーウォーズ最大の売りである。



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代表的なシーンとして、ヘリに乗って空から逃げようとするルパンが、敵の一味にライフルで撃たれる場面が挙げられる。心臓を貫かれたルパンは、「開いていないドア」から何故か地面に落下。「龍が如く」の冴島を遙かに超える「35人」のマフィアを殺害したヒットマンの葬式に突っ込んでしまう。(その抗争相手のマフィアの名前は「マッチョファミリー」)敵がルパンの死体を確認しに行くと、そこには安らかな眠りについた大泥棒が一人。それをこの目で確かめ教会を去って行く。



しかし当然ルパンは死んでいない訳だが、何故死んでいないのかというと、その時何故か「エアバック」を背負っており、落下した際にクッションとなったからで、ルパンの死体は、「ルパンが身につけた変装メイクで一瞬のうちに死体をルパンに変装させたから」という、言った者勝ち過ぎるストーリーなのだ。



オマケに、「ルパンがエアバックを背負っている」のは、打たれるまでの約20分ないし30分で、持っている素振りが全くない。(まぁずっとバックは背負っては居るが)タネ明かしもかなりご機嫌なテンションのルパンが「持ってて良かったエアバック♪」で済ましてしまう。僅か1セリフ1行。こんなタネを撒いていないタネ明かしがあっていいだろうか。(変装メイクが上手い設定は序盤ですぐフッている)



このように、1$マネーウォーズではいくらでも突っ込めるのだ。他のシーンも簡単に紹介していくと



・敵の尾行で、「敵に距離を離されてしまったから」という理由で車でセントラルパークに突っ込む
・五エ門がのっけから新興宗教にハマり、EDで教祖に逃げられる
・お金が足りない五エ門、ルパンの銀行強盗について行くも「悪事には手を出さん」とくっついているだけ。
・病院で女子更衣室に突っ込み「紫が良かった」と性癖を暴露する次元
・ルパンが資金援助を峰不二子に要求するも「事業計画書が無いと駄目」と断られる
・ルパン「どの世界に泥棒の事業計画書があんだよ」と文句を垂らす
・断られたルパン「帰りは(飛行機の)貨物室か・・・」と絶望しながら帰る
・ならそもそも、プロローグで100万ドルで指輪買えないじゃん



とまぁこんな具合だ。軽く5分考えただけでこんだけ上がってしまう。しかもこの物語の1番の見所とも言える「ルパンが経営する石油会社を、1000億ドルで敵の親玉が買収する」という根幹には全く触れていない。そして1000億ドルを「即日」に振り込むシンシアという女性の敵の親玉もまた面白い。



もちろん、これだけ荒いストーリー展開があるのなら、1$マネーウォーズを駄作と切り捨てて、ここ最近放送された新たなTVシリーズでも見りゃいいのだが、この作品はキチンと面白いのがミソだ。どう間違っても駄作ではない。では何故駄作に墜ちなかったかというと、ちょっと素人のスーモには分からないんだが、違いがあるとするなら、みんなずっとボケている所だと思う。



1$マネーウォーズはルパン一味がずっとボケ続けている。
前出したシーンでも、銀行強盗するシーンでも、シンシアをチョップで気絶した後、その女を背負って「とっつあん、デートの邪魔しないでくれよ~」とほざくルパン。金庫室に入った後、起きたシンシアとの会話も


ルパン「あらら~もう起きちゃったわけ~~?王子様とのキスもなしで~??」
シンシア「猿面の王子なんてごめんだわ」
ルパン「かぁ~言ってくれますねぇ」


一歩間違えたらTVの向こうがざわつくものだが、そこは大物声優陣とクリカン。狂いなく良質なテンポで脚本のボケに化粧を施していく。また、その脚本のセリフ回しも
「風通しのいい体になりたくない」(蜂の巣にされそうな場面で)
「アンタんとこの後援会は熱狂的過ぎてねぇ」(敵に囲まれてシンシアに)
「2つのお山がチョモランマ」(不二子のおっぱいの事を)
とウィットに富んでいて、初見ではストーリーのあらに目が届かない。



この大分後に、シンシアとルパンが経営する会社との交渉時に「蛇の道は電子ジャー」というルパンの親父ギャグは、誰も突っ込まないので、最初聞き間違いかと思ってしまった。勿論「蛇の道は蛇」である。



そもそも、ルパンが石油会社を経営するというシーンも何なんだという話である。まぁ戦争を起こして経済の掌握を目論むシンシアに、他社から原油を盗んでいるだけの会社を売り飛ばそうとしているだけなのだが、この人場面だけでも
変装が下手すぎる次元・「原油の出が悪くなった」と聞き、他社の石油を盗む為のバイプを木槌で直す五エ門・そもそもルパンが死んでやる気が消えてしまったとっつあんは、やはり見てて面白い。



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そしてシンシアがルパンの石油会社の買収の為振り込んだ1000億ドルが、そっくりそのままルパンの口座を通り、峰不二子の口座に振り込まれ、不二子「さようなら貧乏~~♪ こんにちはブランド品~~♪♪」とルパン随一の名言を炸裂させた。



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1$マネーウォーズでもし語られるとしたらおそらくここである。この時の不二子の清々しさったらない。30分前に敵のアジトに進入して、磁石にブラ取られた後の貧乏すぎる肌着は何だったのか。(この直前に8000万ドル騙し取られている)



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どういう肌着???????????????????



1000億ドル。1ドル100円として10兆円。現在のレートなら約11兆円も入ってしまえば「さようなら貧乏~~♪ こんにちはブランド品~~♪♪」も言ってしまうだろう。しょうがない事だ。何せ資産1000億ドルともなると世界で3人しかいない。ビル・ゲイツAmazon CEO ジェフ・ベゾス、そして峰不二子なのだから。寧ろブランド品しか眼中にない不二子は相当慎ましい。



エンディング、1000億ドル手にしてお宝を手にしたルパン一味は、いつも通り相手陣営を片付け、実はルパンに惚れていたシンシアから金を盗み、「ひどい男ね・・・」とぼやかれ、おまけに無一文と全く得がなかったのだが、不二子はというとお金そっくりそのままかっさらい、ついでにナイフで切り刻んだ相手を、お返しとばかりに「風通しの良い体」に仕立てた。



しかしニューヨークに行くと、タクシーを乗り逃げして、店のテーブルの下に隠れている峰不二子の姿が。話を聞いてみると「1000億ドル全て株に注ぎ込んで一文無し」になったらしい。



こんな馬鹿なキャラをお目にかかった事があるだろうか。漫画が出来て100年弱、数多のおバカキャラを生み出して来た。しかし、どのキャラが10兆円もスッてしまうというのだ?どのキャラがビル・ゲイツを一文無しに出来ると言うのだ?バカボンのパパか?両津勘吉か?いや、峰不二子である。



これでとっつあんとおいかけっこして終わる1$マネーウォーズ。なんと濃い90分だろうか。ルパン三世は貨物室に居るし、次元大介はひたすら下手な変装をするし、五ェ門は新興宗教の教祖に逃げられるし、峰不二子は10兆円稼いで溶かした。これがカリオストロで見られるというのか?マモーで見られるというのか?いや、ない。だからこそ見て欲しいのである。



以上が1$マネーウォーズの簡単な説明である。5000字前後書いてしまうくらい面白い作品なので、GWの終わり5/6に見るにうってつけの作品だろう。そういえば不二子は1$マネーウォーズについて、こう言ってたな。








「さようならGW~~♪ こんにちは4連勤~~♪♪」















シーユーアゲイン なにもあげん