インドのピラニア

野球・相撲 時々その他 自由きままに書く インドのピラニアのように

4勝3敗 天地の差

最近「自分にしては」相撲をみなくなった。



うーんなんでだろうか。実は自分なりに結論は出ていて、答えは多忙の一言に尽きそう。会社が終わるのが6時としても、もうその頃には大相撲中継が終わってしまっている。「関心がなくなった」というより「物理的に見られない」が正しい。こればかりはしょうがない。



関心がなくなった事はないとさっき挙げたばかりだけど、横綱大関勢の不振も個人的にちょっと痛い。関脇以外・平幕優勝のバーゲンセールが乱発している現在、俺だけかもしれないが、優勝の価値が以前より低く感じられるようになった。まるで東証1部の株価のような構図。天皇賜杯兜町にでもあるのだろうか。スーモの相撲株価の乱高下を引き起こしている。



ただ、そんな悪いことばかりではないのかも。以前に比べて格段に下からの突き上げが激しくなった。ジャニーズと似ている。キンプリがTVでぶちかませば、屋台骨の嵐もV6も気合いが入る。以前見たTVで2時間台でフルマラソンを完走するジャニーズが居て「もうそういう選手じゃん」と焼き肉喰いながら徒然思った。ジャニーズで相撲を例えるな。



相撲もこれに通じる。幕下上位が頑張れば、関取は自ずと頑張らなければいけない。陥落したら無給の付け人に逆戻り。戻りたくないから星勘定を金で買ってしまう訳で、10年前の未曾有の悪夢はこのシステムの間隙から引き起こされた。この忌々しい過去に戻りたくない気持ちは、相撲ファンも親方も協会もおそらく一緒だと思う。1世代前には無い、謎の一致団結・相撲道に邁進するそんな姿勢をひしひしと感じる。



でも、見てないながらも今場所「おっ!!!!」という出来事があったので、このブログにちょこっと書いてみようかなって、そういう感じです。



14日目のことだったと思う。この日は土曜日だった事もあり、終日休みが取れてフルで大相撲中継を見ることができた。スーモが言うフルで見たというのは「13時頃の三段目上位」から見たということである。伊達に相撲が好きだからスーモと名乗るだけのことはある。序の口から見ている人たちもいるが・・・



14日目となると、大体の力士が6戦ないし7戦(幕下以下は7番しか相撲を取らない。ほんのたまに8番取る力士もいる)取り終わっていて、出てくる力士は勝ち越し・負け越しが懸かった剣が峰な力士も出てくる。



宝香鵬という力士も今場所はその枠組みの1人で、相撲好きにはけっこう名の通った存在。かなり長いあいだ幕下に居座っていて、かれこれ7年にもなる。ゆえに相撲っぷりは分かんなくても、BSで中継を見ているとかなりの頻度で見かけるのだ。平成元年生まれ。今年で30歳になる。



その力士が勝ち越しをかけて、元幕内の豊響と雌雄を決しようという対決をしていた。どちらも3勝3敗豊響は現在幕下なものの、幕内にいた時は白鵬を押し出したこともある「猛牛」これは歴戦の強者といって良い。



しかし、その1番はあっけなくカタが付いた。立合った瞬間に、宝香鵬が変化をした。「猛牛」と言われている豊響は立合が命と言っても差し支えない。変化に弱い。というより「変化を気にして立合が鈍るのを最も恐れている」という力士だ。変化されたらひとたまりもない。



「今場所2回目の立合変化ですねぇ」とNHKアナウンサーは淡々とした口調から少し、なんというか呆れが少し入っているような、そんな印象が垣間見えた気がした。2回やったという事は、俗に言う「相撲」をしっかり取って勝ったのは2番しかないじゃないか。つまり番付が上がるとはいえ、宝香鵬は2勝5敗と対して変わらない。



勝った宝香鵬はガッツポーズをしていた。多分今後2度と忘れないと思う。あの空しいガッツポーズを。花道に下がる宝香鵬の背中をNHKのカメラは凝視している。それを視聴する俺も凝視した。足取りはなんとまぁ軽い。ショッピングでいい服買った後の女性みたいな。背中にウイングでも生えているのか、というくらい軽かった。力士は足取りの重さが命だというのに。花道を去るときも、嬉しすぎてすり足で帰るくらいであったら良いのに。



かなりむなしかった。自分は宝香鵬でもその親方でもないのに、だいぶこたえた。幕下に上がって7年ということは、幕下に上がった時は23歳で順調そのものだというのに。加えて、宝香鵬はいまだに休場したことがない。



もちろん大きな怪我なくここまで来れたという凄さもあるけど、裏をかえせば「怪我が少ない状態でも幕下」という、ある種の空しさも心に突き抜けてくる。そう言えば腹もけっこうタプタプだ。稽古しているのだろうか。(しているだろうけど)しているのだろうか。あまり「稽古が足りない」なんて、力士の日常をナメた考えをしたくないのだ。幕下でもメチャクチャスゴいのは頭に落としている。

でも・・・それでも・・・・・・



そうこうしている内に、関取の座を懸けて豊昇龍が土俵に上がっている。あの朝青龍の甥として角界の門を叩いたあと、ここまでとんとん拍子な出世を遂げ、今場所で新十両なるかという宝香鵬より遙かに大きな1番に臨んでいる。



先場所も好角家を驚かせていた。先場所も新十両が懸かった場所だったが、3勝4敗で負け越して号泣していたというニュースが報道されていたからだ。



20歳の豊昇龍が幕下上位にいるだけでも快挙だというのに、昇進できずに泣いている。そんな朝青龍の血が濃く入っているエピソードに好角家はびっくりしていた。もうそれだけのエピソードだけで将来は大関横綱が見えてくると分からせるくらいに。



果たして。立合弓矢のように十両の彩(いろどり)に突き刺さったあと、右下手を深くねじ込み、叔父を彷彿とさせる豪快かつセンス感じる下手投げで新十両を勝ち獲った。所要11場所。相撲経験ないというのに2年足らずで関取になるとは。

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「幕下上位・3勝3敗・相手十両
数多ある相撲の中で、最も変化が出やすいシチュエーションの一つだと言える。関取になれば、個室も付け人も無給と大して変わらない生活とオサラバできる。1場所でその狭き門を通りぬけられるのは、僅か3・4人という少なさ。おまけに戦う力士が全員十両に居てもおかしくない猛者ぞろい。1番でも勝ち星を拾うために変化したくなる。



そんな人生を左右する大一番に、あれだけ厳しく彩に突き刺される豊昇龍の勝負度胸は目を見張るものがある。まだ体重は120kgほどで、他のどの力士よりも、のびしろをたっぷり残している。本当に朝青龍のあとを継ぐことができるかもしれない。



宝香鵬・豊昇龍ともに4勝3敗で一点の勝ち越し。星取表だけを見たらその違いを判別することはできない。けど、その細部をまじまじと焼き付けてみると、明らかで圧倒的な違いが垣間見える。「3年先の稽古」とは角界で使い古された金言だけれども、こういう所をみてきたから、みんな口すっぱく言っているんだろうな。



という、そんな話でした。ではでは、ハッキヨイ次の更新でまた会いましょう。






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シーユーアゲイン なにもあげん(と言い残し花道を下がる)