インドのピラニア

野球・相撲 時々その他 自由きままに書く インドのピラニアのように

メジャーリーガーは悩み悩んで大麻を吸う

最近、こんなニュースを見た。



https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200526/k10012445621000.html



木村花さんという女子プロレスラーが、相次ぐ誹謗中傷により心に闇を抱え、そのまま終わりのない深淵に堕ちていった。ある意味では救いなのかもしれない。自分で死に場所を選べるのは見方を変えたら幸せなこと。にしてもね。しないに越したことはない。



トップアスリートは自伝やら自己啓発本やらで、鋼のメンタルを持っていると勘違いする人は多い。というよりムカつく。脚光を浴び続ける人生を、妬む嫉妬のエネルギーは太陽のように果てしない。そのエネルギーは、あらゆる殺人技を防御無しで受けるプロレスラーを殺すほどだ。



努力するよりも、嫉妬した方が圧倒的に楽だ。「叶うか分からない夢を追う」というと聞こえは良いが、それは案内と懐中電灯がない秋芳洞を歩くのと同じだ。これ程酔狂な話もない。



正しいか分からない所に踏み出すより、正直な話、現実的で効率的で、尚且つ高確率で相手を勝負の場から降ろす事が出来る。誹謗中傷というのは、実は夢を追うよりかなり人間的な行為のようにも思える。だから、俺は別にその人達を責めたりはしない。「人間やねぇ」と思う。実際人間だし。



今の時代は相手を攻撃するのに、指1本と僅かな脳みそさえあれば充分なのだ。アインシュタインが啓蒙した世界はすぐそこにある。マモーのどでかい脳ミソだって意外と遠くの未来ではない。



俺は、キャリア30年超のスゴ腕精神科医でも、あらゆる修行を歯を食い縛って耐え抜いた阿闍梨でもない。でも、人生を通じて様々な人を画面越しではあるが観てきた。sluggerとMLB at bat 越しという、みたことないフィルターを使っている。わかばのフィルターより便りがないかもしれない。



でも俺はこの分野に関しては一日の長がある。これは俺と他何人かにしか出来ないと思う。今回はメジャーリーグを通じて学んだ「人間」をここで伝えられたらなと思う。



メジャーリーグにはまって、筆者は8年が経つ。メジャーリーグの魅力はダイナミックなプレーだとか、自由闊達な選手の性格だとか、そういう所もそりゃ勿論見所ではある。でもそれだけでは、ここまで私はMLBをがっつり観ては居なかっただろう。



メジャーリーグの最大の魅力、それは「様々な人生を辿った人間が居る」ということだ。



ある者はキューバからいかだでアメリカに渡った。己の腕から放たれる球が最速だと信じ、実際にシカゴでニューヨークでチャップマンが史上最速の豪速球を投げることを証明した。



麻薬船に乗って亡命した選手も居る。その選手は組織に監禁された時期もあったらしい。ヤシエル・プイーグの居ないMLBは、塩むすびのように何か物足りない。またあるものは、偽名と年齢詐称で球団を欺き、その後のキャリアを繋げた選手もいる。ファスト・カモーナという名を使って。



「あなた達には本当の自由が何なのか分からないんだ」と言い残し、深夜にボートを運転して岩に激突して死んだ人もいる。ホセ・フェルナンデスは史上最高の投手になるとみんな思っていた。皆がその死に様に涙した。しかし、影ではコカインを吸い、アルコールを煽り、その圧倒的な重圧と闘っていた。ガールフレンドはその人の子を身籠っていたというのに。



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同じように、理想のようなキャリアを終え、悠々自適なスローライフを味わっていた選手が、自家用飛行機の事故で悲愴な最期を遂げている。ロイ・ハラディという大投手の死は、あらゆるファンの心を沈ませた。死後、死体を解剖するとアンフェタミンモルヒネが検出された。



18歳の少年が、睡眠薬の飲み過ぎで病院に担ぎ込まれたことがある。全体1位に指名されたプレッシャーで自殺しようとしたのだ。九死に一生を得たその少年は、後にあらゆる野球選手の目標となる。ケン・グリフィーJrを知らないメジャーリーガーなど、この世には居ない。



その人に憧れて、海を渡ってアメリカで活躍した人もいる。あらゆるヒットの記録を作り、その人も伝説になった。イチローはその記録を作るために、ストレスで睡眠薬を飲んで寝ていた。



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こういう話で必ず話題に上がる選手がいる。ジョシュ・ハミルトンだ。彼もまた見たことがないような天才バッターだった。その過剰な期待が彼をアルコールへ誘うこととなる。アルコール依存症大麻を常習していたこの原石は、誰よりも数奇な野球人生を送る。



同じようにC・C・サバシアも、成績不振からか酒に逃げるようになる。アルコール中毒からの復活を遂げ、最後の登板では全ての力を使い果たし、膝を故障してキャリアを終えることとなる。



ワールドシリーズ史上、最高の名シーンとして名高い逆転劇の主役であるデビット・フリース。彼は10代から鬱を抱え、車で木に突っ込んでいる。WSのチャンピオンリングを居間に飾ることもせず、「正直自分が今ここに居るのが信じられない」とさえ公言する。



エヴァン・ギャティスも鬱だった。大学時代の周囲からのプレッシャーで鬱を発症し、4年もの間野球から遠ざかった。全米を放浪し、あらゆる仕事に就いたギャティスはその3年後、ビックリーグの舞台に立つこととなる。



野球選手だけではない。カブスの優勝が懸かった試合で、相手チームのファールボールを不意に選手の邪魔をして取ってしまったバートマンという少年は、ファンのみならず、政治家からも誹謗中傷されている。



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軽く思い付いただけでも、これだけ心に闇を抱えた選手を思い浮かべることが出来る。野球だけではない。ヘビー級王者として50戦無敗を達成したデオンティ・ワイルダーは、10代で拳銃自殺を試みたこともある。そして初めてワイルダーを倒したタイソン・ヒューリーも、鬱病で毎週日曜日は死にたくなると公言している。この世で最も強い男が、心で折れそうになっている。どちらもめちゃくちゃな男ではあるけども。



幼い頃、スポーツ選手は努力をして当たり前だと思っていた。自らを節制し、練習という面倒に打ち勝ち、浅田真央のような清廉なコメントをメディアに残すのが当然であると。お金溢れる生活に何一つ不自由などないと。



しかし実際のところ、それはちゃんちゃらおかしいガキの戯れ言であった。もっとプロ野球の一流選手よりも、小瀬や湯口のように苦悶の末の首をくくる者もあれば、伊良部のように口をつむるような背景がある人もいる。人から祭り上げられてはいるが、そのステージに立つ者は紛れもなく「人間」だった。決して何でも耐えられるスーパーマンではない。



お金が使えきれない程あれば、人生は幸せ。そんな人生なら、そんな悶々とせず楽で良いのに。



金があっても傷ついた心は癒せない。
これに気付く人が少しでも増えたら嬉しいね。







〈これも是非〉
https://mochan9393.hatenablog.jp/entry/2020/04/12/115444


https://mochan9393.hatenablog.jp/entry/2020/03/26/225527





シーユーアゲイン なにもあげん