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2021年新外国人紹介 【番外編】 田中将大

毎度インドのピラニアを見て頂き、ありがとうございます。コロナから1年経ち、今日も元気に、アンチテーゼの如く、外へ散歩しまくって、くしゃみをマスクで受け止めております。マスクが臭くなるの嫌よね。

 

 

 

今年もプロ野球シーズンが、無事始まってくれて、取り合えず一安心。これまで今季来日する予定の、新外国人について簡単な紹介記事を書いてきました。まだほぼ来日してないのはおいておくことにして・・・。

 

 

 

3回連続で同じテーマの記事を書いてきたんで、ちょっくら食傷気味な所もあるので、今回は番外編。実は高校時代から知られて、10年来その投球を目に焼き付けているにも関わらず、8年ぶりの日本復帰という事で、アメリカ時代の投球について、詳しく知られていないあの男について、改めてまとめてみました。

 

 

 

 

田中 将大。

 

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Wikipediaより引用

 

 

 

野球界におけるトップ中のトップ。今季に関して言えば、来年以後またMLBに戻るという可能性も考えて「新外国人」という枠と捉えていいかもしれない。高校時代から知られてかれこれ15年。もうずっと伝説。伝説のバーゲンセール男。「優勝旗が白河の関を超えた」という不世出の快挙ですら、田中将大打線のクリーンナップに入るのかすら怪しいもんである。

 

 

 

こんなスゴイ人に「マー君」と気軽に呼べるというのに、何も仕事をしていない、ただ余生を穏やかに過ごそうとカマしている偉そうなじいさんに、何故「さん」付けをしなければならないのか。世の中は無常である。

 

 

 

プロに入っても、1年目から2桁勝利を皮切りに、2011年は防御率1.27で最優秀防御率。2013年でも同じく防御率1.27と24勝0敗と、まさにやりたい放題。

 

 

 

パワプロ君の記録室に無法侵入しては、その記録室をぶっ壊して仙台に帰ってしまうし、そもそも「マー君」というあだ名がもう不釣り合いなのだが、本人は全く怒らないので、間違いなく良いあんちゃんなのである。

 

 

 

しかし、それからの7年間はアメリカに武者修行をしていたということもあり、マー君がその7年間に、何があり、何が変わり、何を手に入れ、何を失ったのか。これについては、意外と知らない人が多いんじゃないか。

 

 

 

ファンはその名前を知っていても、本当の意味で「知っている」と、そう公言出来る人は、そうは居ないんじゃないかと思っている。だって朝一でMLB見ないもん。MLB at bat 見ないもん。

 

 

 

近年の田中を知るには、MLBをしっかり見ていないと分からないだろう。夕方の断片的なニュースでは限界もあるし、戦った相手の詳細な情報も把握できない。張さんの喝を向けているメジャーリーガーの力量を知ることこそが、MLBを見る最大の醍醐味なのだ。

 

 

 

今回は、そんな田中将大投手について、アメリカ時代の様子や現在の立ち位置・実力について、稚拙ではあるが、改めて深堀していけたらなと思う。

 

 

 

1.ヤンキースのチーム状況・田中の立ち位置について

 

 

 

田中は7年間ヤンキースに在籍していたのは、野球ファンの知識として当然の事柄であるが、そのヤンキースがどんなチームで、どんな戦力で、どのような7年間を送ってきたのかを知る野球ファンは少ない。

 

 

 

名門と謳われて久しいヤンキース。しかし、2010年~の10年間はヤンキースの中でも、最も上手く行かなかった時代と言っても、そこまで言い過ぎではないだろう。別に勝率5割を切ったシーズン*1もなかったが、ヤンキースが目指す所は他のチームと明らかに違う。

 

 

 

特に2010年代後半はまだしも、2010年代前半はカノーとグランダーソン頼みの30代後半ばかりのチームで、それこそ四十路がちらつくイチローが外野で31番を背負って駆け回る。お世辞にも明るい未来が見えない。そんなチームだった。31番時代のイチロー覚えている人あまり居ない説。

 

 

 

ジーターに至っては、二遊間の辺りに面白いほど追いつかないし、プレーオフで打球に飛びついて、見事に骨折していた。肩をかつがれて、ベンチに退くジーターは悲しかったなぁ。当然Aロッドは薬物スキャンダルでスタジアムに顔を見せられる状態でもない。

 

 

 

マー君が移籍した年、2014年なんてその最たる例である。ここで当時買ったMLB雑誌を開いてみることにしよう。

 

 

 

まず最初に言いたいのは、2014年のメンバーで、かつ21年にもヤンキースに在籍しているのはガードナーのみである。

 

 

 

ヤンキースで長期間在籍するのは想像以上に難儀なことである。Aロッドが出られないからと、同年代のソリアーノをDHに、RFを同じく30代後半のベルトランに任せるあたり、下からの突き上げが全くないことが分かる。2塁をケリー・ジョンソンに任せて何がしたかったんだ。

 

 

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2014年スラッガーさんのチーム予想図 全体的に年齢が高く、チーム作りに難儀している

 

ちなみに、これでもまだ多少見れるようになった状態で、2013年 つまり24勝したシーズンのヤンキースは3・4・5番をウェルズ・ハフナー・オーバーベイという「トライアウト青田買い打線」を形成。見るも無残な貧弱リサイクル打線と化した。ここはBOOK・OFF100円コーナーじゃねぇんだぞ。これをバックに黒田が二桁勝ってたのもスゴイ。サバシアもこの年から勤続疲労で、思ったほど活躍出来なかったし、黒田におんぶにだっこしていたシーズンだった。

 

 

 

「そんなチーム状態じゃいかんだろ」と失地回復の到来と、GMないしスタインブレナーが意気込んでのマー君の補強。まぁ確かに補強は正しいのだが、その金額が凄かった。

 

 

 

7年1億5500万ドル。レートが100円と仮定すると155億円である。明らかに出しすぎた。この時代の先発投手の中では、正しく最高級のてっぺんなどえらい契約。

 

 

 

何せこの年のMLBエース格のバーランダーは、年俸にするとおよそ20億円。マー君は年俸22億円じゃないか。しかもMLB経験もなしと来てる。いくらNPBでかつてなく暴れたからって酔狂過ぎる。マー君調子に乗ってる。私はそう思いましたよ。

 

 

 

「調子に乗ってる」ってなんだよ。あれは「調子に乗らされている」んだよ。勝手に代理人が契約釣り上げて、メディア勝手に神輿にマー君乗せて、マンハッタンを行脚しているだけだから。サバシアとかジーターとかそっちの気で集まっているだけじゃないか。実際、大谷がMLBに行くーゆうたら、みんなロスに行っちゃうし、トラウトひとつ取材しねぇじゃねぇか。そもそも、エンゼルスって日本で言うオリックス的立ち位置だから。それならドジャースでぼったくり契約で野球してるマエケンを取材してくれよ。同じ日本人だろ?日本人なら数字とれるだろうよ。そもそも、読者・視聴者が日本人にしか興味がないから、マスコミがそっち行くだけだろうよ。あっちだって生きるためにはしょうがないんだよ。じゃあどれに思いの丈ぶちまけたら良いんだよ!!!!!!!

 

 

 

このように、ストレスを発散させるために見てるのに、新たなストレスを抱えるようになっていた。勝手に腹立ち、勝手に解消してる。マー君は野球やっているだけなのに、何故こんなことになって居るんだろうか。マー君が最も困惑するだろう。

 

 

 

ただ、マー君の契約はある種の隠れ蓑があったことを忘れてはならない。同年にもう一つ、負けず劣らずのドデカイ大契約をかましている。ジャコビー・エルズベリーの7年1億5300万ドルの契約である。

 

 

 

井川という手痛い失敗を覚えているファンは多い。ただ、チームが深手を負ったのは遥かにエルズベリーである。エルズベリーが活躍したのは契約初年度のみ。*2

 

 

 

2年目からは怪我が目立ち、実力があっても怪我でフィールドに立てなければ意味がない。次第に伝説級の不良債権になっているエルズベリーを見ていると、マー君の契約なんてそんな大それたこともない。いや大それているんだけど、投げてきちんと勝っているし、結果を出している。

 

 

 

それに比べてエルズベリーと来たら、5年目以降は臀部と脇腹を痛めて1試合も出なかった。つまりおよそ66億円くらいドブに捨てていることになる。「そんな大金払いたくねぇ」ということで、泥沼の賃金闘争が起こっていた。*3こんなしょうもない闘争がMLBでは起こりえてしまう。

 

 

 

それに比べたらマー君の契約なんて前途洋洋である。初年度の靭帯部分断裂は、確かに長期契約に重い影をさしていたかもしれないが、そんな万全でない状況の中で、6年連続2桁勝利・7年通算78勝は立派という他ない。

 

 

 

どうやら21世紀以後のヤンキースで、歴代4位の勝星数のようで、上位3人はペティット・サバシア・ムッシーナと何れも左投手。右投手では歴代1位なのである。

 

 

 

特にMLB時代のベストゲームな試合は、2017年のALDSインディアンスとの第3戦。

 

 

 

当時のインディアンスは正に完璧なチームで、22連勝というふざけた記録を作り、第2戦では中心選手・10年341億円契約男のリンドーアが、第2戦で貫禄の満塁ホームランを放ち、ヤンキースを地獄の底に叩きつけられたのを、田中が第3戦で7回無失点の完璧な投球で凌ぎ、死地から生還したヤンキースが、そのまま3連勝してインディアンスを破った。

 

 

 

この試合は、正しく「神の子」の面目躍如であった。もうこの1試合を制しただけでも、年俸分の活躍をしたと言っても、全然言い過ぎでも何でもないかなと思う。

 

 

 

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 有識者っぽい人が「200イニング投げたことない」とか「怪我でまともに働いたシーズンが少ない」と、とやかく言っているかもしれないが、ヤンキースファンでマー君を悪く言う人は、おそらくほぼ居ないでしょう。

 

 

 

契約後半は、大型先発をFA補強する度に「マー君はローテに入れるのだろうか」ととやかく言われていて、結局その先発が故障離脱。行き着く先はマー君頼みなシーズンばかりであった。そしてエルズベリーは忘れ去られていた。

 

 

 

間違いなく大活躍していたと言い切っていい投手、田中将大。ほぼキャリアの大半を肘に古傷を抱えながらのパフォーマンスと考えると、本当に恐れ入る選手である。

 

 

 

2.どんな選手になったか。

 

 

 

田中は、日本時代はスライダー投手として名をはせ、スプリットを覚え無敵とかした。

 

 

 

海を渡った後、初めはスプリットを決め球としてそのまま渡り合ったが、年を経るにつれてスライダーの比率が上昇。2014年は比率22%なのが、20年には37.7と急上昇。スプリットのイメージを植え付けられた上での、実はスライダーの投手という、往年の稲尾と同じ生き方をしているのはここだけの内緒だ。*4

 

 

 

逆に、速球はスライダーより投げられていない年ばかりで、被打率は毎年.300を大きく超える。平均球速およそ149kmの速球が、MLBのマッチョマンの変態に通用した年はない。またカーブは初球かカウントを整える時に投げるケースがほとんど。カーブで三振を獲ったケースはここ3年間でわずか2回しかない。

 

 

 

「なら、そのカウントを整えるカーブないしストレートを捉えたらいけるやん」と思うんだけど、そんなチャンスタイムを、そんな簡単に提供するほど甘い投手でないことは、皆さんがおそらく最も知っている。

 

 

 

四球率は7年で6回のMLB上位10%入り。兎に角カウントを整えるのが世界屈指に上手い。球の威力だけならダルビッシュだし大谷なんだけど、田中は劣る代わりに、ストライク先行・自分優位の環境を常に整えてくる。

 

 

 

印象的なシーンがある。2015年のハーパーとの対戦で、あまりに失投が来ずしびれを切らしたハーパーが、突如謎過ぎるセーフティバントを試みてアウトになった場面。この年のハーパーはHR王とOPS1.1を記録する覚醒シーズンで絶好調。そんな猛者が意味不明のバント。朝一の自宅で腹を抱える。なおハーパーは時々こういう事を定期的にする。

 

 

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また田中は、毎年一発病に悩んでいた。MLBではフルシーズン怪我が無ければ、概ね32登板ないし33登板に収まる。しかし2019年は32登板で29HRと、ほぼ1試合に1本のペースで打たれてしまうのが難点。

 

 

 

ただ、ヤンキースという両翼が95m付近という極狭球場だからこその記録でもあり、膨らんだ形状を持つカウフマン・スタジアム(ロイヤルズの本拠地)なら、被本塁打を15本に抑えられたとのデータもあった。

 

 

 

楽天の本拠地は、両翼100m・中堅122mでオードソックスな形状。パークファクターも得点1.05 HR1.14と、多少有利な傾向は見えているが、それでも毎年HRが1.4を超えてくるヤンキースタジアムに比べたら、かなり負担が減るのは確かである。

 

 

 

3.成績予想とまとめ

 

 

 

ここで予想をしていこう。こういう記事を作るときはどうしても予想を立ててしまうものだ。

 

 

 

開幕して間もなく、太ももの故障により、数週間登板回避という状況もあり、成績予想に怪我要素も考慮に入れなければならない。21年4/3現在では、田中の復帰は最短4/10で4/17にも登板できるということらしい。

 

 

 

という訳で、登板数が2登板ないし3登板少なくなることとなる。フルシーズン投げ続けた先発投手は、およそ25登板~27登板で終わるので、その少ないチャンスを棒に奮ったのは大きい。去年のように試合数が143試合と、そこまで減少していない所は救いである。

 

 

 

つまり、これから負傷無く終えたと仮定すると、マー君の登板数はおよそ22・23登板になってしまう。もうあの24勝の再現が極めて厳しくなってしまった。

 

 

 

まぁ、誰もあの出来過ぎたシーズンが出来るとも思っていないので、その辺はスルーするとして、勝星は必然的に落ち着いた数字となる。

 

 

 

勝星の数は運任せな所もあるが、二桁勝つ所はイメージできる。登板数の半分勝ち星が付けば良いのだから。そう仮定すると11勝は固いと思う。加えて、日本通算で172先発の99勝。約勝率57.5%を記録している。その点を考えると11勝ないし12勝が妥当なラインかなと思う。

 

 

 

続いて防御率防御率は日本通算2.30という圧倒的な成績。想像以上に圧倒的である。それに加えて被本塁打の減少も加わる。年齢による球速低下とここ最近の日本球界における強打スタイルが、以前と比べ異なる点ではあるものの、それ以上にフライボールレボリューションでも生き残った実績がある。そう簡単にはくたばらない。

 

 

 

そんな状態なので、2.30以上になることはあまり考えづらい。2011~13年まで1点台ということを考えると、1点台に収まっていくと考える方が自然である。流石に1.27は難しいかもしれないけど、2012年の1.87に準ずる成績になる可能性が高いだろう。1.9~2.1辺りかなと。

 

 

 

イニング数は22先発で平均7イニングを投げたと考えて154イニング。奪三振は機械の如く、日本時代8.47・MLB8.46と纏まっているので、無思考で電卓を叩き144.8と出たので145個あたりが妥当。怪我さえなければ、おそらく危なげなくシーズンを過ごせそう。

 

 

 

しかし、怪我以外で1つだけ不安要素がある。それは日本球界の急激な野球技術の向上である。2013年と異なり、田中の球速は、もはや日本でも「速球派」というカテゴリーに入ってこない。150kmを見かけるのが当たり前の世の中になりつつある。160kmですらそこまで騒がれていないようになった。

 

 

 

ただ、そんな環境下で我が道を貫いてきたマー君である。今回もきっと大丈夫だろう。そう、怪我さえなければ大丈夫である。

 

 

 

【今季 田中将大 成績予想】

11勝 3敗 防御率2.1 150イニング 奪三振140個

 

 

 

私はこのように予想を立てた。さて、今季はどのような成績になるか注目である。

 

 

 

以上で、番外編として田中将大の寸評を終わりにしたいと思う。流石に毎回6000~7000字の記事を書くと、神経の浪費もすごいのだ。今回で新外国人紹介の記事はおおよそ踏ん切りを付けて、次回以降また様々なジャンルの記事を書こうと思っているので、それも是非よろしくお願いいたします。

 

 

 

それにしても、予想、むっっっずい。

 

 

 

<これも是非>

 

mochan9393.hatenablog.jp

 

 

 

 

mochan9393.hatenablog.jp

 

 

 

 

シーユーアゲイン なにもあげん

*1:ジラルディのへんちくりんな采配はあった

*2:それでも額面通りに活躍していない

*3:

エルズベリーとヤンキース、泥沼金銭闘争は長期化も - 水次祥子の「MLB 書かなかった取材ノート」 - MLBコラム : 日刊スポーツ

*4:稲尾はスライダー投手と見せかけてシュートの投手というのは、ノムさんの本の読者ならおなじみ